ツイッター上に浦和サポーターからなされた差別発言が、大きな問題になっています。それはG大阪のFWパトリック(28)に対する人種差別的な書き込みとのこと。浦和レッズとG大阪の公式ホームページには、それぞれチームとしての見解が示されています。浦和レッズののHPはこちら、そしてG大阪のHPはこちらをご覧ください。またこのことに関し、パトリック選手自身も自身のツイッター上で「まさかこの国でそういう目にあうとは思わなかった。こういうことは人間としてやるべきではない」と心境をつづったそうです。
問題となったツイートは瞬く間に拡散したそうです。おそらく世界中のサッカー関係者やマスコミの目にも触れ、日本のサッカー界や浦和レッズ及びレッズサポに対する非難へと発展する可能性も大いにあります(すでにそうなっているかも?)。浦和サポは以前にも横断幕の事件がありましたので、さらに問題視されるのではないかと推察しています。たった一人の愚かな行為のために。
この問題も、前回話題にした「某新聞社の報道部長の中傷ツイート」の問題も、根っこは同じなんだろうなと思います。ネット上の匿名性に対する認識の甘さです。今回の書き込みをした自称浦和サポにしても、パトリック選手に向かって面と向かって差別発言など絶対にできないだろうし、仲間内の日常会話の中でだっておそらく差別発言などしないだろうと推測します。
ネット上だから、ツイッターでは匿名だから、などという甘い認識で、深く考えもせず書き込みをしてしまったのでしょう(もちろん、だからといって許されることではありません)。浦和がガンバに負けたということに対する悔しさも、当然それには関与しているはずです。負けた時にチームにブーイングをしたり、「こんちくしょー」と口に出すのと同じ気持ちです。
しかし、ネット上に書き込みされた差別発言は、当然今回のように大きな問題となります。そしてチームにも多大な迷惑をかけます。ほんの数文字の心ない書き込みがとんでもない大問題に発展したことに対して、書き込みをした本人は今、自分がとんでもないことをしてしまったんだと気付き、大いに自身の愚かな行為を悔いていることでしょう。でも、残念ながらしてしまった行為は消えません。時すでに遅し。
私たちは、自分のスマホやPCの向こうには、3億人が存在していることを認識しなければいけません。仲間内で一杯飲みながら愚痴ることと、匿名であってもSNSでつぶやくことは、根本的に違うということを学ばなければなりません。私たち大人こそが、このインターネット社会で生活していくためのルールやマナーを、学ばなければならないと思います。