一昨日の徳島戦で、選手たちがピッチでゲーム前の練習を始めたときのことです。ボクら新潟のサポーターは、今まで経験したことのない光景を目にしました。徳島の選手たちがボクらに見せたその様子に、「え~っ?徳島ってすごいね!」ってボクら夫婦もビックリいたしました。
まずビックリしたのは、選手たち全員が自分の背番号が書かれた専用のバッグを1人1つずつ持ってきたことです。おそらくその中には、個人専用の飲料水用ボトルなどが入っているのでしょう。コロナ対応なのでしょうね。
次に選手たちは、そのバックをゴール前に1列にきちんと並べて置きました。置かれたバックの整然とした様子は、ボクらの座席からもはっきりと見ることができました。「すげぇ~!徳島!」「顧問の先生によくしつけられた高校生の部活動の選手みたいだ!」ここでまたビックリ!
相手チームが入場してくるときに、ボクらは拍手を送るじゃないですが。相手チームの選手にも、サポーターから自然と送られる拍手。ボクはこのビッグスワンの習慣、とてもいいことだと思っています。「遠くから来てくれて、ありがとう!」相手チームに対する感謝とリスペクトの気持ちを、忘れてはいけません。
最高に驚いたのは、その拍手を受けた徳島の選手たちの行動です。横一線にきちんと整列すると、全員が揃ってメインの観客席に向かって深々とお辞儀をしたのです。さらに回れ右をしてバックスタンドにも深々と礼。次に90度向きを変えて並び直すと、Sスタンド側とNスタンド側にも同様の行為をしたのです。つまりね。きちんと整列し、スタンド4方向に向かって次々と礼をしたのです。しかも深々と。
いやぁビックリしました。こんな選手たちの様子、少なくともボクの経験の中では初めてのことです。きっとコロナ禍でもスタジアムに足を運んでくれるお客さんに対しての、選手たちなりの感謝の気持ちの表現なのでしょうね。素晴らしい!いやぁ!徳島、素晴らしい!ボクらがその姿に大きな感動を覚えたのは言うまでもありません。
ボクは1度だけ行ったことのある、アウェイ徳島戦での「心地よさ」や「おもてなし」について思いだし、女房ともそのことを話しました。「あの旅は楽しかったよね」「ポカリスエットスタジアム、もう一度行きたいね」 そう、あれは2014年のGWのことでした。「徳島戦やら神戸戦やら」「徳島のおもてなし」「千代反田と西岡」「堅碁も見たのか?石鎚山!」楽しかったなぁ。
今考えてみれば一昨日の徳島戦では、ゲーム前のあの時から既に徳島には負けていたのかもしれません。もちろん相手はプロのサッカー選手たちですから、中学生や高校生のサッカーチームのような行動を全てにおいて求めるわけではありません。でも、ボクらだってアルビの選手たちの「円陣ダッシュ」の姿には、胸が熱く清々しい気分になりますよね。
ゲーム後には敗戦の疲れを引きずって、アルビの選手たちがスタジアムを一周してくれました。
ボクらは声をかけることができませんから、ただ拍手をして、心の中で「次だよ!次!」「頑張れよ!」と声援を送るだけでした。
ただ、場内を回る選手たちの列は大きく間延びし、先頭集団と最後尾では随分離れており、なんか選手の一体感を感じることができませんでした。まぁ試合後で選手たちも疲れているわけなのでしょうがないのかもしれませんが、ゲーム前の徳島の選手たちの姿と思わず比較してしまったのです。
コロナ禍で自粛してきたのだとは思いますが、選手たちがゲーム後に各スタンド前で整列して礼をするくらいは、やってもいいんじゃないかな?ってボクは思います。いや、やるべきだ。そこでの拍手には大勢のサポーターの思いが集結しますし、選手の皆さんにも伝わると思います。けっして声をかけたりブーイングをしたりしませんから。少なくとも、だらだら間延びして歩く選手たちに五月雨(さみだれ)の拍手を送るよりも、ずっと気持ちが伝わるのではないかと思います。
一番拍手が大きかったのが、決勝点を決めた相手チームの元アルビ選手に対してっていうのは、少し寂しすぎます。いや、河田も好きだけどさ。