風は東楡の木通りから

クリスチャンフルート吹きパスピエの愛する音楽、猫たち、薔薇の毎日

池袋演芸場ー続き

2006-04-06 13:42:58 | 落語
落語の続き。

夜の部に予定されていた白鳥さんが昼の部に。なんてラッキー!
噺は白鳥さんの貧乏生活時代から作ったもの。蕎麦を食べたい男がインド人の蕎麦屋に出会い、高いものを注文させられ、高いお代を払わせられる噺。

実はこの時少し息苦しかったのだ。こんなところでパニック発作はいやだ。。。少し恐怖感。。。鞄に発作時の薬があるのを確認その時のことを考えながら噺をきいていた。

でも、いつの間にか白鳥さんの話に引き込まれ、最後には大笑い。白鳥さん、感謝!!。

林家正楽さんの紙きりは圧巻!凝ったお題を出した人がいた。錦平師匠のやった「宗論」。正楽師匠「おおい、宗論、今日誰かやったかい?」裏方さんが「錦平師匠がやりました!」「そうですか・・・・。みんな知らなかったらこっちはやりやすかったのに・・・。」そんなことをいいながらできた作品は息子の後ろに牧師、父親の後ろにお坊さんが祈っている姿と言うもの。すごい!!細かい!!この方正楽師匠目当てだったようで紙きり終わったらさっさと帰っていった。

後、面白かったのは歌之介師匠。演目わからないけど。師匠の嫌いな飛行機やヘリコプターに乗った時の噺。わかりやすくて古典で難しい顔をしていた次男にも大うけ。次男には曲独楽、奇術、紙きり、津軽三味線などの演目が楽しめたみたい。

ちょっと意外だったのが、長男には最後のほうで古今亭志ん五師匠の古典落語がすごく印象に残ったみたい。気の短い男と気の長~い男の会話。そのやり取りが面白かったようだ。

こうして子供達とおばあちゃんの初寄席デビューの一日がおわった。
私にとっては十数年ぶりの寄席。やっぱ、寄席っていいなぁ~!
今回の寄席を教えてくれたbaianさん、満喫できましたよ、ありがとう!!



池袋演芸場

2006-04-06 01:01:39 | 落語
日付は変わってしまったけれど、前々から息子達を生の落語を聞かせたいと思っていたので、この雨の中いってきましたよ、池袋演芸場へ。落語は初めてという私の母も誘ってね。

しかし、アスペの長男は前の日から「緊張する」が始まっていたのでものすごく心配だったのだ。彼の緊張とはどうやら極度の不安の高まりを言う。特に外で外食しなければならない場合、初めてすることがある場合、必ずこの「緊張」がでる。

アスペルガー症候群のお子さんを持つ方はわかると思うが、彼なりのルールというものがある。外食は何時から何時までに食べなければならない、胃がもたれない程度に少量、もしくはたべない。これが彼なりのルール。そうしないと「満腹感」ー「緊張」ー「パニック」ー「吐き戻す」ー「ひどい時は体が動かなくなる」という流れになるから。

でも今日はそんなこともなく無事に初寄席デビュー。
寝てしまうんじゃないか・・・と心配したが長男も次男も結構見てましたね。おばあちゃん(私の母)は最初のころちょっと寝てた・・・。

2番目に松旭斎美智さんのマジックがあったのだけど・・・「寄席はじめてのかた?」
で、素直な長男は手を上げる。「じゃあお兄さんを中心にやっていきましょう」
ええ~!!!だいじょうぶなのか?!新聞紙でのマジック、ああ、ちゃんと受け答えられてる!良かった。。。次最初6枚で2枚少なくなっているはずのお札がそのまま6枚だったというマジック。「残りはいくつ?」答えはいつの間にか2枚増えているのだから6枚。長男は素直に「6-2=4」で「4」と答える。「お兄さん、素直なのはいいんだけど、奇術ということがわかってらっしゃらないわねぇ。」と美智さん。

美智さん、アスペってそういうものなんですよ~。長男が怒ってしまうんじゃないかと私ははらはらだったけど、途中で何を言うべきなのか気づき、ちゃんと答えられた。それに長男は美智さんとのやり取りがとても楽しかったらしい。良かった・・・。

林家錦平師匠、演目は古典落語の「宗論」
キリスト教の息子と浄土真宗の父が宗論を交わすというもの。私はこの古典落語を知らなかったので「キリスト教誤解してるかもなぁ。やだなぁ。」と思っていたのだ。もしそうなら信仰のある長男が怒り途中で出て行ってしまう可能性あり、だから錦平師匠と長男を交互にちらちら見ながら聞いていたのである。でも結構長男にはうけていた。キリスト教についても、まあ、ちゃんとした事いってたし、仏教の家にキリスト教徒の家族がいるとこうなるだろうなというのがわかる。実際こういう話を聞くからね。マルです。おもしろかったよ。

でもこの「宗論」玉の輔師匠がやった時「キリスト教を馬鹿にしすぎています。」と楽屋まで文句を言いに来た人がいたとか。そんなに目くじら立てることもないと思ったけどな。気持ちはわかるけど・・・。噺の中の息子がやたら外人みたいなしゃべり方するから単に外国文化としてのキリスト教にかぶれただけみたいな印象を受ける。でもそういう話方しなけりゃ面白くないしね。

それにハムラビ法典がとびだし、「目には目を歯には歯をと書いてある」と父親となぐりあいの喧嘩になってしまうところもね。でもこの言葉、旧約聖書にもあるのだ。旧約聖書の場合は自分が害を受けたこと以上の害を相手にあたえてはならないという戒めの意味も有ると聞いたことがある。

それに親を殴っちゃあいけません。「あなたの父と母を敬え。」(旧約聖書、出エジプト記20章12節)ですよ。

また、新約聖書で主イエス・キリストは、

「「目には目で、歯には歯で」といわれたのをあなた方は聞いています。しかし、私はあなた方にいいます。悪いものに手向かってはいけません。あなたの右の頬を打つような者には、左の頬も向けなさい。」(マタイの福音書5章38,39節)

と言っている。落語はこの反対の展開、父親に殴られた息子が左の頬も差し出し、また殴られて、しまいにキレて、そこにハムラビ法典がでて喧嘩になるのだ。

クレームをつけた彼女はそこら辺のこと怒っちゃったのかなぁ。
でも・・・古典落語なんだからクレームのつけようがない。と思うんだけど・・・・。

この噺、上方落語の露の五郎さんだったらどんなふうに演じるんだろう。露の五郎さん、クリスチャンだからねぇ、福音落語とかやってるし・・・。聞いてみたい。御茶ノ水クリスチャンセンターあたりでやらないかな。

長いので、次回に続く。