ピアノは回転を使って弾くことが多いと思います。
それによって弾きやすくなります。音も硬さや濁りがなくなり美しくなります。
この事を、私はかなり以前から生徒さんに伝えてきました。
案外子供の生徒さんの方が、感覚的にすぐにわかります。
ところが大人の生徒さんになると、そうはいきません。
話は分かったとしても、曲になるとさっぱりわからない、という方がとても多いです。
私の中では、分からないことが疑問。単純な事なのに、と正直なところ思っておりました。
正直、何度同じことを言い続けなければいけないかと思っておりましたが、ポーラさんのこちらの楽譜のおかげで、多くの大人の生徒さんにやっと話が通じるようになってきました。
この図形的な楽譜により、腕(手首)の動きがわかるようです。
長年、おそらく一番困っていたある大人の生徒さんに、先週、今週とこの楽譜を使って、その方が弾いている曲の中の音型と結び付けてみました。
その生徒さんはご自分でハイドンのソナタが弾きたいと持ってこられ、もう3カ月は弾いていらっしゃいます。
ところが、音が固くパサつきます。
どんなに音楽を感じ取っていたとしても、その音では何も考えていないのかと思われてしまう演奏。
原因は、手の使い方を間違えているという単純な理由です。
手のことを言うのはやめて、こういう音楽ではないかと弾いてお話しても全く変わらず。
古典派の作品は誤魔化しがきかないので、出来ていないとあからさまに表れてしまいます。
今日は、3カ月間「こうですよ」と言い続け伝わらなかったところが、わからなくなったらポーラさんに戻りで、やっと理解して頂けました。
こちらの右手です。
弾き方がわかれば、音を外さなくもなりますし、なんと言っても音楽が生き生きとします。
想い描いた音と違うと感じることがありましたら、是非この回転を思い出してみて下さい。