ピアノを弾く時は、基本の腕(手首)の回転がある話を少し前に書きました。
生徒さんには回転の方向を結構伝えてきたつもりですが、特に大人の方はどうもいつまで経ってもわからなくなります。
楽譜の余白に矢印の方向を書いたり、楽譜内に直接書いたりもしておりました。
ある年配の生徒さんで、ピアノを弾く時には身体の使い方がある、ということが全く通じない方がいらっしゃいます。
いつも曲はご自分で選ばれ、けっこう難しい曲を弾いていらっしゃいます。
ただ、その弾き方ではいくらやっても弾けるようにはならない、という弾き方。
曲の一部分だけでもと思い、手の使い方をよく伝えるのですが、その時になぜかよく言われるのが「どうしたらCDのように弾けるのか」です。
CDのような演奏を私は目指してはおりませんが、こうやったら今よりずっと良く弾ける方法はあります。しかし、それを伝えているのに伝わらない。
弾き方が良くないと音も非常に汚いです。
ちょっとした拷問のようです。
こうしてもう10年以上その生徒さんのレッスンを続けています。
今週その生徒さんに、人間の腕は回しやすい方向があり、ピアノはそれを使って弾くことが多いと話し、こちらを弾いて頂きました。Paula DreyerさんのLittle Gems For Pianoにある曲です。
以前からこのような話はしているのですが、実際に楽譜を見て頂いたのは初めてです。
弾いていただきましたら、初めてその生徒さんが納得したお顔をされました。
そこから練習中の曲の一部を、だからここはこのように手を使う、と話しましたら初めて話が通じました。
え?うそ・・
です・・
これまで同じことをずっとしてきたのに、この紙1枚で通じるとは・・
ふと、図形的に音符が並んでいるものが実際に目の前にあるから理解できたのかと思いました。
それに気づいた時に、男性の方が女性よりこの回転が身に付くのが速いことの理由が理解できたように思いました。
ポーラさんの曲集はノンレガートの曲を増やすために購入したのですが、思いがけなく重宝しています。