メソッドを変えて教えるようになって6年目を迎えました。
小学校でしたら6年生です。そう考えるとけっこう大きくなりました。
初めからこのメソッドで習っている生徒さんは一番大きくて小学5年生です。
もっと上の年齢の生徒さんは途中から「不思議な音の国 下巻」を使ったり、先に進んでいた生徒さんは曲を弾きながら奏法を直していきました。
この途中から直した生徒さんたちに少々気になる傾向があります。
なにせ私は、音が鳴らせるようになることを第1目標にこのメソッドに変えましたので、腕をリラックスさせ鍵盤を下にしっかり下ろすことをしてきました。
その結果、どうなったかは次回に書くとして、今回は別の気になることを書きます。
手首です。
以前は手首を使う意識を持たない生徒さんばかりでしたので、このメソッドで手首の横の動き、縦の動きに注意を向けることが出来るようになりました。
ただこれは、音を最後まで聴く、どう音を終わらせるかをイメージする力が関係します。聴くことをお粗末にする人はいつまで経っても身に付きません。
さて、本題です。
途中からメソッドを変え、現在中学生になっている生徒さんたち。
私が手首のことをよく言っていたので、本人たちは実はそれがどのような効果を生むかを正しくは理解していなかったようで、とにかく動かせばいいになっている様子が見られます。
必要のない所で、方向を変えるように手首をいちいち動かしていたり、インヴェンションや古典派ソナチネ・ソナタで、手首だけで歌わせようとして急にグワンとした全くその時代に合わない音で弾いたりと、これはこれで厄介な問題が発生しています。
本人たちは無意識にしていることが多く、簡単には直せません。
手首は使えば良いというものではありません。
特に音を出す時に手首から前に動かすと安っぽい音になります。
手首から動かすのは音を離す時が最も多いと思います。
音の切り口を丸くしたい時です。
横に動かす時は手首だけが誘導しているわけではありません。手首だけグルグルしていては音は浮き上がって行きます。重さの移動が伴わなければなりません。
というわけで、表情のある音を求めて手首を使うことを教えてきましたが、思わぬ方向に向いてしまい、どうすれば良かったのかと思っています。
手首が不必要な所で上がると、流れている水が止まったり漏れたりします。
水道管の補修工事が必要。漏水を止めなければ・・