60代の大人の生徒さん。
きちんと練習され、練習が間に合っていない時はレッスンを欠席されるほどです。
クラシック志向で、ソナチネアルバムに載っているモーツァルトのC-durのソナタやショパンのノクターンOp.9-2を弾かれていました。
元は他の先生の生徒さんなのですが、先生が体調を崩されお預かりしている内にその先生が退職され、そのまま私の所に残られることになりました。
初級(バイエル程度)ということでお預かりしておりましたが、私のいる楽器店では先の2曲は上級です。
初級のまま昨年秋から見ておりましたが、少し前に久石譲さんのInnocentをお渡ししたら弾けましたので、これはせめて中級に進級させて頂こうとお話ししましたらOKということで無事進級。
初級で選曲となると厳しいなと思っておりましたが、中級となるとかなり自由が利きます。
Innocentと一緒にキャサリン・ロリンさんの連弾曲を渡しておりました。
その曲を気に入って下さり、キャサリン・ロリンさんを知って頂くことが出来ましたので、この路線をメインにロシェロールとヴァンダールも紹介してみましたらこちらも気に入られた様子。
曲を紹介していて思いました。
アメリカには中級から上級初めの大人の方が楽しめる曲集が随分そろっていると。
子供たちもこれらの曲は好きですが、大人の方も同様に楽しめます。子供っぽさがないからです。
日本はこの辺りの曲となるとアニメやゲームの編曲ものが多くなります。
アニメやゲームの曲でも綺麗なものはたくさんあります。私も嫌いではありませんが、正直なところ内容はあまりありません。
ピアノのテクニックも学べ、音楽的にも難し過ぎないけれど内容がほどよくあるのがアメリカの教育作曲家たちの作品。
日本は子供も大人も共通で使える曲集がない気がします。
それで大人の方にブルグミュラーやギロックを仕方なく使ったりして・・
どちらも私は好きですが、趣味の大人の方には何かしっくり来ないものを感じます。
久石譲さんのピアノストーリーズのシリーズのような曲集がもっと増えてくれると有難いのですが・・
本格的な曲ならクラシック曲があるのでそれを弾けば良いのかもしれませんが、そこに達する前に子供も大人も音楽的に楽しめるセンスの良い曲集が日本には少ないように思います。
無くても、今の時代は海外の楽譜が入手しやすいので良いかと思っておりましたが、円安でドルもユーロも高くなっているので、そうも言っていられなくなりました。
子供にはこういうもの、大人にはこういうものではなく、両方に通用するものが日本にも増えてくれることを願っています。