おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

水の中にもぐる感じ

2023年07月24日 | レッスン

スラーと呼吸について生徒さんにはこの言い方がピンと来ると最近発見しました。


「スラーが続いている時はずっと水に潜ってるの」

「スラーが切れたら水面に顔を出して息を吸うの」


”スラーの始めで息を吸って、スラーの終わりは手首で抜いて”、などと言うより水に潜る例えの方が子供も大人もずっとスラーの意味が理解しやすいようです。

今頃こんな発見をしたのは私くらいなものかもしれませんが・・


長いスラ―の途中で手首を上にプカプカ動かすと、その度に水面に口を出して息を吸っていることになります。

手首の横の動きで重さが逃げないように弾いていくと、潜ったまま泳いでいけます。音色や技術的な意味で手首を上にスッと上げる程度のことはスラーの間でも有りです。本当に力(重さ)を抜いてしまうのとは別のことです。


力は重さのこと、重さは腕を上げて鍵盤に下ろせばれば誰でも載せられます。肩甲骨から使えるようにしっかり上げると音が変わるのがよく分かります。


鍵盤は1cmくらいしか下がりません。
それを指で押すだけでしたら本当に1cmの距離でしか勝負できません。

しかし、鍵盤の上にはその何十倍もの空間が存在しています。
それを利用すれば良いわけです。


ピアノは多くの人が弾く姿を見たことがある楽器だと思います。
それが問題で、こんな風に弾くんだと先入観が生まれやすい楽器でもあります。

鍵盤の場所を覚えて、そこを押せばピアノは弾ける。
指さえ早く動かして鍵盤を高速で押せればピアノはプロ並みに弾ける。

それが一番多い先入観ではないでしょうか。そして、それが最も酷い間違いです。


正しいものを見ていないことや、正しいものを見ても正しく見ることが出来ないことで誤解されていることが色々とあると思います。

ピアノレッスンはそれを解くことから始めなければいけない。

レッスンが始まる前からゼロスタートではないのがピアノレッスンかと思います。


誤解されていることを、習っている生徒さんから解いて行って、彼らに正しいものを広げてもらいたい。

日本人は伝統を重んじるので、過去の教育は正しいと思い込んでいる人が少なくないかもしれません。

だから未だに今どきそんな奏法はない、ということを大切に教え子供たちに伝えている傾向があるように思います。

教本も同様です。
自分が習った教本が、現在では必ずしも良い奏法を身に付けられるとは言い難いものもあります。

しばらくト音記号しかないとか、まんなかのドを1の指で弾くために間違った身体の使い方が身に付いてしまうなど。


過去に習ったことをそのまま教え続けることを少し考えてみることが必要だと思います。

それは昔のように厳しい先生ではなく、友達のような先生になると言う意味ではありません。

奏法も指導法も進化し変化しています。
教える人は学び続けること。

と、自分にも言い聞かせています。


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