先週末、帰宅ラッシュもほぼおさまったサンパウロの地下鉄駅で、一人の女の子が誕生しました。
女の子の母親は、その日の午後、おなかの張りを感じて、父親とともに診察を受けていた病院へ行きました。
しかし、病院側はまだ出産の時期ではないと、診察もしないで追い返しました。
母親のおなかの張りはますます強くなっていきます。
父親は母親を抱えるようにして、病院から100mほど離れた地下鉄の駅へと行きました。
そこで地下鉄に乗り込み、今度は乗り換え…
というところで、母親は痛みに我慢できなくなり、崩れるように倒れました。
父親は地下鉄の警備員に助けを求めました。
警備員たちは駅で母親を降ろすと、救急車を呼び、車椅子で母親を移動させよとしました。
しかし、女性職員がこれ以上移動させるのは難しいと判断。
警備員と地下鉄職員たちは、急遽、地下鉄内通路の床にシーツを敷き、周りを囲って緊急の分娩室を作りました。
そして、女性職員が母親の服を取り、下着を取ると…
まもなく元気な産声を上げて赤ちゃんが産まれました。
2600g強の元気な女の子でした。
その後母親と赤ちゃんは救急車で近くの病院に運ばれました。
これを報道したニュースの中でキャスターは、「地下鉄職員たちは訓練を受けているとはいえ、医療従事者ではない。その地下鉄職員、警備員たちが率先して女性を手伝ってあげることができるのに、なぜ、プロの医療関係者たちが、診察もせずに追い返すことができるのか?!」と大変憤った様子で話していました。
実はこれとまったく同じようなシーンが、今から10年以上前のドラマ「COR DO PACADO」で放送されているんです。
主人公の黒人女性が産気づいてバスで病院に向かいます。
ところが、途中で我慢できなくなりました。
バスの運転手は、機転を利かせて路線を外れて最寄の私立の産科病院へ向かいます。
乗客はだれも文句を言いません。
一緒についていた女性の友人は(事情があって父親はこのとき不在でした)、近くの私立病院へ駆け込みますが「分娩日を現金で前払いしてくれるなら、受け入れます」の一点張り。
そこで、バスの乗客たちがみんなで協力して、急遽バスの中で女性を出産させることになります。
男性達はみんな後ろ手に腕を組み、回りからの目隠しとなり、女性達は全員で協力して赤ちゃんを取り上げ…
とても、感動的な、印象に残るシーンでした。
でも裏を返せば、こうした問題は、10年以上前も、現在も、同じように存在する問題だということですよね!
最近サンパウロでは病院の診察拒否が大きな問題になっています。
一つの例としてサンパウロという都市を取り上げていますが、この問題はブラジルではどこでも見られることだと思います。
先日は、サンパウロの私立病院の入り口で、心臓発作で苦しむ男性が「助けてくれ」と叫び、地面を転げまわって苦しんでいるのに、でてきた病院の職員と看護師は何もせずに見ている、そしてそのまま戻ってしまったという様子が、近くにいた人(その男性の妻という話も)が一部始終を映像に収めました。
その後、男性は、近くにいた人たちの手で呼ばれた救急車で公立の緊急病院に運ばれましたが、命を落としました。
この男性は、公立病院ではできない検査を受けるように言われ、この私立病院を訪れたそうです。
しかし、私立病院側は男性が「民間保険(Plano de Saude)」には言っていなかったために、受診することを拒否したとか。
男性の妻は、この映像を証拠として、病院側を警察に訴えました。
ブラジルの公立病院は診察は無料ですが、それだけに病院自体が抱える借金は膨大なものだそうです。
また、そのことに起因する病院側、医者側のモラルの低下も大きな社会問題となっています。
各自治体がどれだけこうした公立病院を支えていけるのか、今年のの選挙でも焦点の一つになってきそうですね。
女の子の母親は、その日の午後、おなかの張りを感じて、父親とともに診察を受けていた病院へ行きました。
しかし、病院側はまだ出産の時期ではないと、診察もしないで追い返しました。
母親のおなかの張りはますます強くなっていきます。
父親は母親を抱えるようにして、病院から100mほど離れた地下鉄の駅へと行きました。
そこで地下鉄に乗り込み、今度は乗り換え…
というところで、母親は痛みに我慢できなくなり、崩れるように倒れました。
父親は地下鉄の警備員に助けを求めました。
警備員たちは駅で母親を降ろすと、救急車を呼び、車椅子で母親を移動させよとしました。
しかし、女性職員がこれ以上移動させるのは難しいと判断。
警備員と地下鉄職員たちは、急遽、地下鉄内通路の床にシーツを敷き、周りを囲って緊急の分娩室を作りました。
そして、女性職員が母親の服を取り、下着を取ると…
まもなく元気な産声を上げて赤ちゃんが産まれました。
2600g強の元気な女の子でした。
その後母親と赤ちゃんは救急車で近くの病院に運ばれました。
これを報道したニュースの中でキャスターは、「地下鉄職員たちは訓練を受けているとはいえ、医療従事者ではない。その地下鉄職員、警備員たちが率先して女性を手伝ってあげることができるのに、なぜ、プロの医療関係者たちが、診察もせずに追い返すことができるのか?!」と大変憤った様子で話していました。
実はこれとまったく同じようなシーンが、今から10年以上前のドラマ「COR DO PACADO」で放送されているんです。
主人公の黒人女性が産気づいてバスで病院に向かいます。
ところが、途中で我慢できなくなりました。
バスの運転手は、機転を利かせて路線を外れて最寄の私立の産科病院へ向かいます。
乗客はだれも文句を言いません。
一緒についていた女性の友人は(事情があって父親はこのとき不在でした)、近くの私立病院へ駆け込みますが「分娩日を現金で前払いしてくれるなら、受け入れます」の一点張り。
そこで、バスの乗客たちがみんなで協力して、急遽バスの中で女性を出産させることになります。
男性達はみんな後ろ手に腕を組み、回りからの目隠しとなり、女性達は全員で協力して赤ちゃんを取り上げ…
とても、感動的な、印象に残るシーンでした。
でも裏を返せば、こうした問題は、10年以上前も、現在も、同じように存在する問題だということですよね!
最近サンパウロでは病院の診察拒否が大きな問題になっています。
一つの例としてサンパウロという都市を取り上げていますが、この問題はブラジルではどこでも見られることだと思います。
先日は、サンパウロの私立病院の入り口で、心臓発作で苦しむ男性が「助けてくれ」と叫び、地面を転げまわって苦しんでいるのに、でてきた病院の職員と看護師は何もせずに見ている、そしてそのまま戻ってしまったという様子が、近くにいた人(その男性の妻という話も)が一部始終を映像に収めました。
その後、男性は、近くにいた人たちの手で呼ばれた救急車で公立の緊急病院に運ばれましたが、命を落としました。
この男性は、公立病院ではできない検査を受けるように言われ、この私立病院を訪れたそうです。
しかし、私立病院側は男性が「民間保険(Plano de Saude)」には言っていなかったために、受診することを拒否したとか。
男性の妻は、この映像を証拠として、病院側を警察に訴えました。
ブラジルの公立病院は診察は無料ですが、それだけに病院自体が抱える借金は膨大なものだそうです。
また、そのことに起因する病院側、医者側のモラルの低下も大きな社会問題となっています。
各自治体がどれだけこうした公立病院を支えていけるのか、今年のの選挙でも焦点の一つになってきそうですね。