海岸に集うたくさんの人たち。
みんなで海水浴...というわけではなく、皆さん かいがんのに流れ着いた油の除去作業をしています。
ブラジルの東北海岸部に 黒い油が流れ着くようになったのは、8月の末頃のこと。
突然のことに、人々は驚きました。
魚介類を獲って生計を立てる人たちは、漁ができなくなりました。
魚やエビ、カニ、貝などの魚介類などがどんどん死んでいきます。
観光で生計を立てている人たちは、白い美しい砂と青い海に黒い油が点々と散っているのを見て、愕然としました。
でも、何もしないわけにはいきません。
海では絶滅危惧種のウミガメが油にまみれて海岸に流れ着きました。
人々は一匹ずつ捕まえては 油を落として体力を取り戻すまで保護します。
それでも、海に油が流れていては すぐにまた同じことになってしまいます。
住民もボランティアも、みんなで協力して海岸の油を取り除きます。
軍隊も出動して、油の除去作業に加わりました。
作業中に油の化学成分で気分が悪くなる人も出てきました。
ペルナンブコ州レシフェ近郊のイタマラカ島では刑務所に収監されている囚人のうち、外出を許可されている囚人たちが、住民に交じって油の除去作業をしました。
政府は油が発見された当初から「ベネズエラ油田」が油の出元らしいと言っていましたが、ベネズエラ側は強く否定。
その後、沈んでいるドラム缶から流出しているとか、この付近を航行していたタンカー船から漏れ出したなど、さまざまな原因が取りざたされました。
汚染事故から2か月たってようやく、ペトロブラス社が油を分析し、そこに含まれる化学成分などを検出した結果、やはりベネズエラにある3油田から漏れ出していたとうという結果がでました。
今後のベネズエラ側の対応に注目が集まります。
ブラジル政府側の対応も後手後手に回っていて、各方面から批判が集まっています。
環境大臣のインタビューなどを見ると、事態の深刻さがよくわかっていないのでは?とも思われる対応や発言が見られました。
一日も早く 東北海岸部の海や砂浜が、また美しい そして動物や魚が安心して暮らしていける環境に戻ってほしいと思います。