いまから2週間ほど前の話です。
朝、野良餌配りに行きました。
いつものところで いつものように待っていたワンコ達に餌を食べさせ、後片付けをして さて、帰ろうか。
帰り支度を始めた私の耳に
「くーん くーん」
子犬の鳴き声が聞こえました。
んん?
こんなところに子犬?
エサを食べさせる場所こそ 少し中に入ったところで安全ですが、その外側は車がびゅんびゅん スピードを出して走る通りです。
ちらっと見まわしたところ、子犬などの影は見えません。
どこだろう?
エサ場となっている場所の門番君が 懐中電灯で暗い場所を照らしてみると…
いた!!
電柱の陰に 黒いチビワンコ、もう少し先に 黒白まだら模様のワンコ。
とりあえず二匹を 安全な門の中に入れてもらいます。
それでも、まだどこからか泣き声が聞こえる。
門番君から懐中電灯を借りて、道路の向こう側を調べてみると…
電柱と向かい側の建物の塀の間に、ひときわ小さな 黒いチビワンコを発見!!
これも捕獲。
でも、この子、ちょっと歩き方がおかしい?
門番君に手伝ってもらって身体検査をすると、左後ろ脚に虫が湧いてしまっているようです。
とりあえず 持っていた薬をつけますが このままではきっと化膿してしまうでしょう。
他の犬たちは元気そうなので、母犬が飼われている(居場所にしている) 近くのグラウンドに戻そうと思いましたが、このチビ犬は一時 わが家でいったん保護することにしました。
元気になったら かわいがってくれる里親さんを見つけようと思ったのです。
* * * * *
家に連れてきたチビ犬は お腹いっぱい食べた後、ほぼ半日眠り続けました。
その間に 右前足の関節も大きく腫れてきました。
折れている気配はないので、捻挫かもしれない。
でも、とりあえずは 安静に安静に 寝かせておきました。
夕方になって、チビ犬を入れておいた場所から「キャン キャン」という声が聞こえます。
おお、目が覚めたか!と、ドアを開いて覗き込むと…
4本の足でしっかり立っている チビ犬!!
あら~、立てるんじゃない!!
私もうれしかったなー。
その日の夜には 体に入っていた虫が2匹出て、足に大きな穴が二つ空きました。
次の日には もうお庭に出て 歩行訓練。
伝助だけが心配でしたが、特にトラブルもなくすみました。
ただ、三女のチコちゃんは 小さな赤ちゃんがいるので大喜び!!
ずっと追いかけまわしては、姿が見えなくなると探しに行って ということを繰り返していました。
* * * * *
チビ犬がもらわれていったのは、家に来てから3日目の朝。
朝からチコちゃんと家の中を3周走り回り、はしゃぎ疲れたところを連れていかれました。
連れていかれたのは、ペケママ一家がお世話になる「怪しい薬草の師匠」宅。
師匠も「猫寄せ」体質で、知らない間に家に猫が増えているというお家です。
飼っていたワンコ達が年を取ってしまったということで、小さいワンコを探していたのです。
楽しく遊んでいたところを 突然遊び相手を連れていかれてしまった「三女のチコちゃん」は、しばらくの間 しょんぼりしていました。
一方、チビ犬は 師匠のお宅で毎日毎日手厚い看護を受け、引き取られてから1週間後には足の傷も完治しました。
師匠にはお年を召されたお母様(おばあちゃん)がいらっしゃるのですが、チビ犬は「おばあちゃん」の秘蔵っ子として、毎日犬のくせに「猫かわいがり」されて 暮らしているそうですよ。