2019年5月から閉鎖されていた アマゾン観光のステータスとも言えた(ペケママ的にね)
「トロピカルホテル」。
かつてはブラジルのフラッグキャリア「VARIGブラジル航空」の直営ホテルとして、アマゾン観光を牽引していました。
ペケママが初めてマナウスを訪れた1992年当時、海外からの観光客が利用するホテルは ほとんどこのトロピカルホテルでした。
トロピカルホテル本館は絨毯が敷き詰められた薄暗い廊下が伸び、その奥にはパウブラジルなどのブラジル固有の木材をふんだんに利用した重厚な内装の客室があります。
小プールでは週末ごとにイベントが行われ、隣接したミニ動物園では アマゾンの森林に生息する猿やヒョウが飼われていました。
動物園に近い部屋に宿泊すると、朝 それは賑やかな動物たちの鳴き声で目が覚めたものです。
そんなホテルが最終的に閉鎖せざる負えない状況に追い込まれたのが2019年。
経営陣が撤退していく中、従業員たちは再開を夢見て 日々ホテルの維持に努めていました。
ところが そんな従業員たちの努力もむなしく、たまりにたまった電気代の未払いに電気会社が対抗措置。
電気の供給を停止しました。
本来の請求額の3分の1ぐらいまで減額された金額ですが、未払いは未払い。
電力の供給がストップし ホテルの業務は完全に停止しました。
残った借金は電気量の未払い800万レアイス(2億円強)。
ホテル業務が完全にストップしたホテルは、その後荒れ放題。
近年では 浮浪者のような若者たちがたむろするような状況になっていました。
昨年中 何度か競売にかけられていました。
このたび、ようやくサンパウロの実業家が落札に成功。
2億6000万レアイス(約66億6千万円)という金額です。
かなりの金額ですが、もしもホテルとして機能させるなら、同額 もしくはそれ以上の施設の補修費用が必要になって来るものと思われます。
再開までにはまだまだ時間がかかりそうですが、ぜひまた再び あのホテルの白亜の姿を見せてほしいと思います。