最近 日本の新聞のサイト等で、リオデジャネイロのファベーラに入った日本人青年のことが書かれているのを見ました。
彼らはリオデジャネイロのファベーラ(ホッシーニャだったかな?)に、案内人なしで入り、街の様子を動画で撮って You Tubeにアップしました。
その中で そのファベーラを仕切る組織の人たちに取り囲まれたり、銃を持つ若者から銃を持たせてもらったりしたのです。
ペケママも実際にこの動画を見ました。
確かに「危ない奴らやなー」とは思いましたが、いかにも「オレら You Tuber」っていう感じで、ファベーラの支配組織も「コイツラ殺して 余計なトラブル起こすよりは...」って考えて 放免したのかなと思いました。
でも 今 ファベーラ潜入みたいな動画 多すぎ!
その中の殆どが 案内者がついてたり 地元の有力者の協力があったりね。
実際には 潜入でもなんでもない。
誇大タイトル多すぎ!
現在では リオデジャネイロのファベーラは、多くの商業施設もあるし、診療所や病院まである所もある。
中には銀行の支店があるファベーラもある。
どちらかというと所得の高くない人が多いけれど、本来の意味での「スラム街」というわけではない。
表向きはそういう場所ですが、それはそのファベーラを支配する麻薬組織が背景にあってのこと。
ファベーラの中には 決して普通の人が足を踏み入れてはいけない 組織だけの場所があるのです。
そういう場所があるから 普通の人が案内もなしで入るのは危険なのよ。
前述した潜入青年の場合だけど、彼の動画の中に 彼がいる場所がどれだけ危険な場所かって 示すシグナルがたくさん現れていました。
でも彼はそれがわからない。
ただ 壁に書かれた落書きだぐらいにしか理解していない。
そういうのを一番ハラハラしながら 見ていました。
ファベーラの潜入で私が一番記憶に残っているのが 「Tim Lopes」事件。
グローボ局のジャーナリストだった彼は 長年麻薬組織について 調べていました。
2002年 その組織が支配するファベーラに潜入した彼は、そのまま組織によって殺されてしまいました。
殺され方はその組織の流儀によるものでした。
その当時の新聞に詳しく書かれていたのを、未だに忘れられずにいます。
死体は ファベーラの「私設火葬場」で焼かれ、家族はDNA鑑定によってしか、死亡を確認することはできませんでした。
以前 別な記事でも書きましたが、ファベーラでも普通の人が暮らし、学校に行き、仕事をして、普通の暮らしをしています。
テーマパークでも お化け屋敷でもありません。
「潜入」するような場所ではありません。
ただちょっと危険な「足を踏み入れてはいけない場所があるだけ」。
もし今後ファベーラに入る方がいるんだったら、そういうことをきちんと頭に入れておいてほしいなと思います。