この12月 娘がサンパウロ大学の経済学部を卒業することができました。
5年前に卒業したブラジリア大学の国際関係学部に続いて2校目の大学になります。
サンパウロでは昼間は働きながら 夜は大学というの2足の草鞋
全く知らない街で大丈夫かしらとハラハラしながら口を出すことしかできなかった両親は ほっと一息です。
というわけで、もう少ししたら「卒業パーティー」があるらしいです。
これは大学主催の「卒業式」とは別物、生徒の中から有志が募って計画実施するパーティー。
中学校の時も高校の時もあったのですが、その頃はもちろん学校や保護者が後ろ盾となって行っていました。
参加も自由です。
だって 結構なお金がかかるんです。
今回は私たち両親はノータッチ。
親はお金も出さなければ、顔も出さないことにしました。
卒業式には行きたいと思いますけどね。
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こうしたパーティーにかかるお金はかなり高額なものになります。
大学の卒業パーティーなどの場合、運営責任者となる生徒がまず登記所で「卒業パーティー準備会」組織の登録をし、学生たちからお金を集め、パーティー業者を選定し準備を任せていくのが一般的な運営の仕方なのだそうです。
今回、サンパウロ大学の医学部でこの卒業パーティーを巡って、運営責任者となる女子学生が約927.000レアイス(約2400万円)を着服するという事件が起こりました。
サンパウロ大学医学部
卒業パーティーは全員参加というわけではなく、希望者が集って行います。
この学年は今年2023年末に修了予定。
順調にいけば来年初めにパーティーが開かれる予定でした。
卒業パーティーのために学生個々から集めるお金は結構高額になるため、彼らは入学直後から積み立てを始めていました。
110人の学生がパーティーに参加するための積み立てを行っていました。
犯人の女子学生は月々学生たちから集めたそのお金を、実体のない投資会社に投資をしたり、いわゆる「ナンバーズ」くじに使っていたそうです。
投資会社に投資した金額は800.000レアイス(約2080万円)。
すべてを失いました。
「ナンバーズ」くじでは毎回高額の掛け金を使っていたそうです。
昨年振り込む予定だった「掛け金」を振り込まず、くじを扱う業者に損害を負わせ、その件でも訴えを起こされていました。
サンパウロ大学の医学部と言えばブラジルの中でも有名な学府です。
生徒たちはここに入学するために、本当に苦労して勉強してきたはず。
この事件を起こした女子学生も、一度薬学部に合格したのですが一念発起して再受験し医学部に入学したのだそうです。
そんな学生がどうしてこのような事件を起こしたのか。
「お金って怖いわね」っていうことなのかしら?
この事件がはっきりわかったのは1月6日、女子学生が準備委員会の仲間にお金の流用についてメッセージを送ったことによって明らかになったそうです。
今後警察の捜査により詳しいお金の動きや動機などが解明されてくると思いますが、それがわかったところで卒業パーティーはどうなるのか...
楽しみにしていたであろう学生たちの気持ちを考えると、なんとか実現できると良いのですが。