デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



白井啓介著『北京閑話―人・もの・街の88話』(大修館書店)読了。

北京が少しでも出てくる本としては『蒼穹の昴』、『現代中国の道教』、『駱駝祥子』、『中国の吉祥文化と道教』、『北京探訪』、『老北京の胡同』、『北京を見る読む集める』、『中国・開封のユダヤ人』、『中国メディア戦争』、『北京の胡同』、『ネオ・チャイナ』、『北京彷徨1989-2015』、『たった独りの外交録』などを読んだが、『北京閑話』は北京での生活をありのまま、また日本人として相容れなさを率直に飾らない感じで書いている点で、現代中国の日常生活の感が最も出ているように思う。ちなみに著書では北京五輪前の時点の北京を扱っている。
現地の気候への対処、現地で食べれるカップ麺、駐車場のアネクドートや、タクシーの速度違反対策、意外と使うのに戸惑われた挨拶の言葉などなど話題は多岐にわたるが、たとえ10年前の記事とはいえ今でも旅行の知識に即役立つような話も少なくないし、白井氏が出前講義をおこなった先で芥川龍之介と内田百閒のことに思いを馳せた話からは、作家や言語学者と軍の関係について驚かされ考えさせられたりする。
小説『チボー家の人々』は重い話ということもあり、並行させて読んだ白井氏の本は清涼剤というのはおかしいが、著者の綴る経験談はとても楽しく読めた。

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