デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



NHKスペシャル「人類誕生」制作班編『NHKスペシャル 人類誕生』(Gakken)読了。

NHKスペシャル「人類誕生」(三回シリーズ)をご覧になった方も多いと思う。
私は再放送を録画しておいた分で最近全三回を視聴したわけだが、こんなに興味深い内容になっている人類進化の歴史を見たことが無かった。視聴と同時に私の人類進化の歴史の知識は古い時代の高校の理科の教科書の人類学の内容(サバンナ起源説など)のまま留まっていたことを痛感させられ、番組の内容を読んでもみたくなり本になっている分も手に取った。
発掘考古学や実験考古学の世界の研究成果は日進月歩なのだと改めて思った。本の内容とはズレるようだが、学問の世界もいろいろな学派というか派閥があっていろいろと難しいことが横たわっているのも事実なのだろうが、一箇所の遺跡を調査するためにスタッフを世界中から公募し、世界中の各々のスペシャリストが集って研究成果を挙げるようすにまず感心した。飛躍するようだが、それは番組や本の内容に出てくるホモ・サピエンスを絶滅の危機から救った好奇心や共同生活や言語を用いての技術の継承といったことの延長・進歩のように思った。
あとホモ・サピエンスの想像力から生まれた原始の宗教のついても考えさせられた。文字で記しそれを受け継ぐことのできるようになった時代以降の宗教は人類同士の争いの火種・理念的根拠にすらなってしまっているが、このシリーズを見ているとたかだかここ三千年ほどの間に宗教の枠内でしか物を考えられなかったり宗教にかこつけて対立にいたって起こっている殺し合いがバカバカしく思えてくる。かくいう私も冠婚葬祭の当事者になれば、どこから沸いてくるか分からないような宗教心が頭をもたげてくる事実は否定できないが、もうちょっと約700万年前からのご先祖様のことを思ってみれば文明を得て以降のホモ・サピエンスの社会がろくなものになっていない習性があることを見つめ直せるのではないかと思った。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )