山咲雛子の日記

毎日何かを好き☆と感じ、感謝して、頑張っています。時間が沢山あったら、ゆっくり自然の中で過ごしたいです♪旅もしたいな♪

ただいま~♪四国遍路から戻りました~(2)

2016年09月29日 | 神社・仏閣

お遍路まわりをしていて「一瞬の出会い」も何度かありました。

納経帳へ記帳して頂いた後、近くの駅(電車)の場所をお寺の方に尋ねると、私が乗るべき電車があと10分後に出発すると言われ焦りました。

それを逃すと、宿までの最終バスに間に合わないのです。

歩けば絶対に30分はかかる道のりです。

ご親切にお寺の方がタクシーを呼んでくれたのですが、今現在お客様を乗せていてお寺には向かえないと。

「わかりました。これも私の運です。何とかなりますから大丈夫です。」とお礼をして私はお寺をでました。

とりあえずバスがあるようなので、目指す駅の近くまで行けば何とかなるかと、バス停に佇んでいたんですね私。

その時1台の車が私の前で停まって「乗りなさい、早く!!」

見るとあのお寺の方なので「お勤めがあるのですから・・・私は大丈夫です」といったのですが、丁度お勤めが終わったところだから乗りなさいと。

駅に着くと、電車は丁度出発するところでした。

お寺の方が駅員さんに駆け寄り、電車を少し待つようにと叫んでくれました。

高架橋をダッシュして、電車に乗り込むと、すぐに電車が動き出しました。

お寺の方が電車が消えるまで手を振って下さり、私も何度も手を振りました。

こんな縁があるんですねぇ~心があたたかくなって、その後に少しの寂しさを感じました。

私の不幸を自分の事のように受け止められ何とかしてあげたいと、そういうに心のあたたかいお坊さまとの一瞬のご縁でした。

この感謝の気持ちは決して忘れてはならないと思います。

なかなかできることではありませんが・・・私も他の人に対してそうありたいと思いました。

そんな感じで、登山道の近くのお宿に泊まることができたのですが、台風上陸で翌朝は、登山道の途中までのバスが一日運休しました。

お遍路でロープウェイを使わないと、たどり着くのが難しいお寺が何箇所かあるのですが、その日はロープウェイも運休していたそうです。

私の場合は、片道2時間半でお寺に辿りつけるので歩くことにしましたが、道路が川になっている道もありました。

まわりの山の山頂がずっと下のほうになってきているのに、歩いても歩いても辿りつかず、足も引きずる感じになって、なかなか前に進まなくなっていました。

苦しさのあまり、思わず「弘法大師さま」と口に出しながら歩くようになっていました。

すると暫くしてから、1台のお遍路さんの車が停まってくれて「同じルートだから良かったら乗って下さい」と。

その時の感激は、今も忘れません。

乗せて頂くことがなかったら、下山中に暗くなっていたことでしょうし、山を下りる最終バスも、とうに行ってしまっていたことでしょう。

助けて頂いたSさんは、私が横浜に住んでいた時の隣町の方でしたので、無事納経を済ませ、懐かしいお話をしながら山を下りました。

とても心の温かい方で、次のお寺まで送って下さいました。

最後にファザードでお別れしてくれたのが心に残りました。

その後お寺をお参りするのですが、なんか変な感じなんですよね。

どこかがヒリヒリするというか、痛いというか・・・

「ああ、ふたりでいた時楽しい時間だったんだ。何日もひとりでいるから私寂しく感じているのだ」って解りました。

お遍路はそうですよねぇ~、決して楽しいものではないですよね。

その日は1日に2度も素晴らしい出会いがあり、ふたりのかたに助けて頂きました。

心から感謝!です。

お遍路の思い出として、いつまでも忘れることなく、ふたりのかたの善意に感謝していきたいと思います。

 

いよいよ9日目に結願し、そのあと1番霊山寺にお礼参りに行きました。

4月の、あの時のままでした。

変わっていたのは、銀杏の実が地面にこぼれ落ちていたことでしょうか。

かつての時は、お経も恥ずかしい気持ちがあってあげなかったし、作法などもわからないまま納経していました。

本堂で感謝をこめて、お経をあげていると、走馬灯のようにお世話になった方々や助けて頂いた方々のお顔が心に浮かんできて、涙がボロボロ出てきました。

こうして無事にお礼参りを果たせることができたのも、多くの方々の善意や支えがあってこそ。

そうして弘法大師さまが導いて下さったからこそ。

このことは、お遍路が終わっても、日々の暮らしの中で忘れてはならないと思いました。

 

大坂で1泊して、難波から高野山へ。

奥の院で納経して、この旅は完結します。

6時と12時と(確か)18時に、弘法大師さまにお食事が運ばれるそうです。

偶然、その場を見ることができました。

高野山を2泊し、阿字観や写経、授戒の体験をしました。

最後の日は高野山唯一の温泉宿坊「福智院」さんへ。

色々体験したので、予定より遅い時間になっていました。

そんな時一瞬幻想かと思いましたが・・・「あれ?〇〇ちゃん?」

なんと!

お寺の山門の向かいに、夫が立っているではありませんか??

「仕事は?いったいどうしたの?」と疑問はいっぱいなのですが、それより心のけじめをつける前に私の修業が終わらされた気がして、ちょっと残念な感じもありました。

それに空港で待ってくれるシーンを何度も思い浮かべ、その日を楽しみに頑張ってきたので、まさかここで再会するとは。

携帯電話を壊してしまって自宅に郵送したので、長い間連絡が取れなかったことが一番のようでしたが、お迎えに行ってあげたいという気持ちもあったようです。

翌日はふたりで授戒を頂き、難波で食べ歩きしたり、高島屋でショッピングして、無事自宅に戻りました。

生活が普段の暮らしに戻った今、まずは各お部屋のイメージチェンジをしたいと考えています。

 

この旅は、お遍路88箇所+1箇所の1/3を歩き遍路でした。

学んだことは沢山ありましたが「不動心」というのでしょうか、心の中にある静かな空間を認識するようになりました。

日々の暮らしの中では、悪い事、良い事の度ごとに一喜一憂してしまいがちですが、その結果が幸か不幸かすぐに判断するのではなく、冷静な目で洞察し、何事も軽はずみに動じないことが大事と学びました。

お遍路で様々なハプニングを経験するたびに「それも私の運だから。でも信じれば(考え方を少し変えれば)必ず道は開けてくる」と思うようになりました。

合掌