宿泊した金剛三昧院を朝出発。
8kgのリュックをどうしようか迷いましたが、背負って奥の院に向かうことにしました。
四国遍路も3回目ですが、なかなか荷物の重さが軽くならないのですね。
執着の重さなのか、私の背負っている何かの重さなのか・・・そんなことを考え、荷の重みを受容れながら歩きます。
高野山奥の院は2回目のおまいりとなります。
この高野山はパワースポットだと私は思うのですが、今回の旅では奥の院でゆっくりする時間がありません。
理由は2つ。
京都などの紅葉シーズン、繋げれば4連休とハイシーズンのため、伊丹空港発の航空券がとれなかったのです。
(ANAやJALの株主優待券があれば取れたのですが)。
それで、関空のpeachは空席があったのですが、不思議なほど割高だったためやめにしました。
そこであまり利用されない空港を考え、神戸空港発のskymarkに決めました。
二つ目は、高野山 極楽橋から橋本駅までの南海鉄道線が土砂崩れで、バスでのピストン輸送になっているため、電車だと数分のところが、バス待ち+バス移動で最大2時間以上もかかってしまうためです。
急ぎ足ですが、ちらちら見ながら・・・
やっぱり高野山はすごいパワーがある場所だと感じます。
奥の院から先は、一切撮影禁止エリアです。
弘法大師さまに般若心経をささげ、2回目の四国遍路では1番から88番さん、今回の四国遍路では1番さんから23番さんを無事成し遂げたことに感謝し、しばらくそこで時間を過ごしました。
奥の院を後にして、納経場で納経と白衣を出すとお母さんが「そのお軸は?もうすんどるの?」と聞かれ、ハッとしました。
「言われなかったら忘れていました。これが一番大事だったのです」と私。
いや本当に、助けられました。
しかも高野山で表装して頂けるお店も紹介して下さいました。
お軸を持って来る時、空港で中身の確認があったりして、とても不快な思いをしたので、高野山で表装するのが一番理想的と考えていたところでした。
紹介された「中の橋駐車場」からすぐの、「法徳堂」さんへ。
表装となると、ピンキリなのですね。
昔、私は着物を好んで買っていた時期があるので、良いものが判ってしまうのがネックです。
その場で、いいな~と直感で思う表装は13万以上はしました。
迷います。
そんな時、このお軸は私にとってどんなもの(存在)か、どうあれば永く大事にできるかと考えます。
着物だって、お軸だって、お金を賭けようとしたらキリがないものです。
一番安いのはやめよう。
キラキラや、赤はやめよう。
私が巡った結果にこのお軸があるのなら、個性的なものが好み。
自宅の床の間の壁紙は、淡いクリーム色だから、落ち着いた色が合うかも?
そう考えて、茶というか落ちついた金というかそれを手にすると、
「お寺さんでもこの柄はちょっと良いものに使うことが多いですよ。縁起の良い模様です」ということで即決!
もう一つその内側の生地を決めなければならないのですが、それは着物でいうところの帯のようなものだと思いました。
雰囲気を締める、緩ます、ぼかす、そんな役割を持っていて、とても重要と感じました。
直感で「青」!
畳の縁みたいな第一印象があって、違うのが良かったのですが、「青」はこれしかないそうで、この柄を畳と思わなければ、かなり個性的で、もしかしたら粋になるかも?
それで決定!
たった10分で決めてしまったので、お店の方も驚き。
その後、後悔したかと疑問に思う方もおられると思うのですが、私はジワジワとこれを選んだ満足感が心に拡がってきましたよ。
思えば、その日の朝金剛三昧院の朝のお勤めで、弘法大師が高野山に入定した時、茶色のような衣をまとっていて、毎年衣替えの時は薄茶のような衣に仕立てるとお聞きしました。
そうして空海という名の通り、空と海の青。
私の表装のチョィスは、総じて弘法大師さんも好きなお色だと。
それならば、正月にこのお軸を床の間に掲げ、皆でお祝いしたら、とても高徳がありそうな・・・
その時が楽しみですね。
88箇所の四国巡礼に、高野山おまいり。
いろんな思い出と共に、これで2回目の四国遍路が完結しました。
お礼参りの意味合いから、白衣と納経帳は両親に捧げます。
新年の1日は床の間に四国のお軸を掲げ、良い感じのおせちを取り寄せ、床の間のお部屋で食事を頂きながら、両親に感謝の意を込めて納経帳と白衣をプレゼントしたいと思います。
母親は納経帳が欲しいと言っていたけど、父親が白衣は要らなくて納経帳が欲しいと言ったらどうしよう?とハラハラしますが・・・。
四国遍路してみてあらためて思うのですね。
この巡礼を頑張ることができる健康な体を両親から授かって感謝したいと。
そうして、ひとりで巡礼に行く私を見守ってくれる家族があることの素敵を。
四国遍路を通して、自分に真っ向から向き合おうとする、自分の勇気に。
有給休暇を頂き、旅ができる環境のお仕事があることに。
そうして、優しい方々に恵まれすぎなほどの私の人生は、とても幸せなものであると。
感謝。
合掌。
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