南海には有望な若手がメジロ押しだ。それもプロ入り以前はほとんど無名に近い選手ばかりである。南海独特のきびしいふんいきの中で、それぞれたくまし成長した。まず日本シリーズで巨人から唯一の勝ち星をあげた林だ。もっとも林は中京商時代からかなり名を売っており、その点は他の若手とはちがう。だが、ほんとうの実力を発揮したのは今シーズンからだ。17勝3敗、防御率2・25は、文句なしにエース格だ。速球にノビがあり、カーブとドロップがいい。球種は多くないが、若さを武器に、グイグイ投げ込む。巨人の川上監督が絶賛したほどだ。