1979年
西武ライオンズに五日、ドラフト外で富山・高岡第一高の森宝生(たかお)投手(19)(1㍍78、80㌔、右投げ右打ち)と森隆峰(りゅうほう)捕手(18)(1㍍76、73㌔、右投げ右打ち)の兄弟バッテリーの入団が内定した。宝生投手は家庭の事情で転校、高校一年生を二年やっており、今季は高校野球に出場できなかったが、チームメートとともに練習して来た大柄な本格派投手。隆峰捕手は強肩が売りもの。同日午後、同校で日野スカウトが河原野球部長、竹沢監督、それに父親の千明さん(55)立ち会いのもとで入団交渉、「兄弟一緒でやりたい」と内諾。これで西武の兄弟選手は松沼、山村と合わせて三組になる。
高岡市の私立高岡第一学園野球部の森宝生=たかお(19)投手、隆峰=りゅうほう(18)捕手(いずれも三年)で、このほど西武ライオンズの入団が内定、五日に日野スカウトが同校を訪れ、正式契約する。森兄弟は名古屋市出身で、竹沢甚一高岡第一高監督を頼って五十二年四月、同校に入学した。県外から富山県への野球留学第1号。兄の宝生君は愛知県・富田中学時代に県大会の優勝投手となっている。一度は愛知高校に進学したが「どうしても野球をやりたい」の志が強く、同校を退学。隆峰君の中学卒業と同時に、この野球兄弟を見守っていた竹沢監督の母校、名古屋商科医大OBの紹介で同校に入学。同監督が高岡市頭川の自宅に二人を引き取り鍛えてきた。この成果が実っての兄弟そろってのプロ入りに同監督は「もう、こんなうれしいことはありません」と涙ぐんでいた。宝生君は右投げの本格派。投手として同校野球部に入ったが、一昨年夏は肩を痛め、夏の大会では左翼手として出場、四番を打った。今夏は年齢制度で出場出来ずマネジャーを務めた。一方の隆峰君は今夏、捕手として三番を打ち2本の本塁打を放つなど大活躍した。西武では三組目の兄弟選手で、ともに契約金千五百万円、年棒約二百万円(推定)。卒業式(三月八日)を前に、来春二月からのキャンプに参加する予定で、竹沢監督は「宝生君の速球は中日の小松辰にも負けないはずだ。隆峰君も素質があり、兄弟でバッテリーを組む姿もそう遠い将来でないはず」と期待。二人も「力いっぱいがんばりたい」と顔を紅潮させていた。