1994年
本来なら一軍で投げていておかしくないだけの力は、持っている。それが、昨年も1年間を二軍暮らし。ファームでも12試合13回3分の2を投げただけで、実力の片りんを見せることなく終ってしまった。社会人時代には、東京ドームのスピードガンで145㌔をマークしたこともある本格派。それが一昨年に右肩を痛め、昨年も尾を引いてしまったのが痛い。大学、社会人を経てプロ入りしているだけに、ことしで27歳とプロ野球選手としては熟年の域。今季は、勝負をかけて投げ抜く。
1995年
これまでの3年間は右肩痛との戦いといってもよかった。だが昨年終盤、ようやくその不安は解消。二軍戦で2勝1敗セーブ2、防御率1.08の成績を残し、今季への明るい展望も開けた。社会人時代から武器だったスライダーには、首脳陣も注目。アリゾナキャンプにも抜てきされた。故障の不安さえなければ直球も140㌔をマークするだけに、中継ぎ役から一軍枠への食い込みを狙う。これまでが不運につきまとわれただけに「ルーキーのつもりでやる」と気構えも初々しい。