1978年
大洋がドラフト1位に指名した大阪・勝山高の高本昇一投手(17)=180㌢、78㌔、左投げ左打ち=の入団が二日正式に決定した。ドラフト一位指名選手の入団決定第一号である。大洋の平山スカウト部長と高松スカウトは同日午後、東大阪市渋川町の同選手宅を訪ね、父親・吉夫さん(47)=会社経営=、門多同校監督を交えて条件提示し、二度目の入団交渉を行った。指名直後から大洋入団を決意していたこともあって話し合いはスムーズに進み、統一契約書に正式契約した。契約金は二千二百万円。年棒二百六十万円(いずれも推定)入団発表は来年の一月中旬、東京で行われる予定。
高本投手の話 契約が終わってホッとしている。二、三年二軍で鍛えて、四年目には一軍に上がれるようになりたい。これから走り込んで、キャンプまでには練習についてゆける体力をつけるつもりです。
平山・大洋スカウト部長の話 球は速いし、肩も強い。まだ未完成のピッチャーだが、必ず大きく育ってくれるものと確信している。できることなら、来シーズンからでもマウンドに立ってもらいたい。
左腕からの速球はかなり威力がある。がっちりとした体格で、江夏(広島)に似たタイプ。 大阪・勝山高。左投げ左打ち、1㍍81、77㌔。右打者の内角低めをつく速球は威力十分だが、コントロールにやや難がある。将来性十分の大型投手とスカウトの評価は高い。打撃にも非凡なものがある。
高本投手の話「こんなに高い評価を受けるとは想像もできなかった。うれしい半面、不安もある。就職も進学も決めず、この日を待っていた」
1979年
自主トレで足首を痛めて出遅れたが、その素材はかなりのもの。知名度的にはそれほどではなかった。だが近鉄、南海、巨人らのスカウトが早くから目をつけており、木田(日本鋼管)の指名にもれた大洋が、将来への左腕エースに、とドラフト1位で獲得した逸材。