1976年
パリーグ、新人王の最短距離にいる太平洋クラブ・ライオンズの古賀正明投手は、二十七歳のルーキーである。古賀投手といえば、一昨年、阪神にドラフト1位に指名されながら「契約金が安すぎる」のすったもんだのあげく、「そんなサラリーマン的選手はいらない」と、めったにない球団からの交渉打ち切りを食らったことで知られている。プロ入りの感想も「ノンプロの方がキツイ。午前は仕事、午後野球といっても、仕事が主になりますから、精神的に疲れる。その点、プロは野球だけやっていればよい」目下、八勝十敗(八月三十日現在)。新人王の声が高いが、「水ものですから、シーズンが終わってみないと・・・なにしろ、前期はたった二勝だったので、いつ勝ち星がストップするか予測がつきませんからね」女房役の西沢正次捕手の評価は「コントロールがよいので受け易いピッチャーだ。ただ、キャリア不足なのか、早く終わらせたいのか、終盤になると、ストライクが先行するので、こんな時は打たれる。でも、十勝はいくんじゃないの」鬼頭政一監督がスカウト部長の時に交渉した選手だけに、監督の信頼度は高い。鬼頭監督いわく、「安定した職を捨ててきただけあって心構えが違う。グイグイ押すタイプではないが、アウトコースのスライダーは抜群。前期の不振はキャリア不足なのに、抑えで使ったからだ。初めから先発で使っていたら、もう二つか、三つは勝っていた」プロ根性は十分。古賀投手の自己採点は「入団する前、先輩に五つ勝てば上出来といわれたので、出来すぎ。でも、よくホームランを打たれるので気をつけないと・・・」新人王ー契約更改で倍額アップといきますか、どうか。
パリーグ、新人王の最短距離にいる太平洋クラブ・ライオンズの古賀正明投手は、二十七歳のルーキーである。古賀投手といえば、一昨年、阪神にドラフト1位に指名されながら「契約金が安すぎる」のすったもんだのあげく、「そんなサラリーマン的選手はいらない」と、めったにない球団からの交渉打ち切りを食らったことで知られている。プロ入りの感想も「ノンプロの方がキツイ。午前は仕事、午後野球といっても、仕事が主になりますから、精神的に疲れる。その点、プロは野球だけやっていればよい」目下、八勝十敗(八月三十日現在)。新人王の声が高いが、「水ものですから、シーズンが終わってみないと・・・なにしろ、前期はたった二勝だったので、いつ勝ち星がストップするか予測がつきませんからね」女房役の西沢正次捕手の評価は「コントロールがよいので受け易いピッチャーだ。ただ、キャリア不足なのか、早く終わらせたいのか、終盤になると、ストライクが先行するので、こんな時は打たれる。でも、十勝はいくんじゃないの」鬼頭政一監督がスカウト部長の時に交渉した選手だけに、監督の信頼度は高い。鬼頭監督いわく、「安定した職を捨ててきただけあって心構えが違う。グイグイ押すタイプではないが、アウトコースのスライダーは抜群。前期の不振はキャリア不足なのに、抑えで使ったからだ。初めから先発で使っていたら、もう二つか、三つは勝っていた」プロ根性は十分。古賀投手の自己採点は「入団する前、先輩に五つ勝てば上出来といわれたので、出来すぎ。でも、よくホームランを打たれるので気をつけないと・・・」新人王ー契約更改で倍額アップといきますか、どうか。