脱阪急ショック
横山 ロッテに救いの神
「やはりホッとした気持ちが強く、緊張感はなかった」四回で降板した木樽は、こういう。ピリピリと神経をとがらせた阪急戦に二連敗した虚脱感はぬぐい切れなかったようだ。二度のリードを守りきれなかったエース・木樽の不調は、前半のロッテに苦しい思いをさせた。「みんな私と同じですよ」と、木樽がいうように、盛り上がりのないベンチの気分は得点してもすぐ追いつかれる試合運びが輪をかけて、「前半は非常にムードが悪かった」(江藤)と、打撃陣にも暗い気持ちが広がりつつあった。こんなムードのロッテ・ベンチを一転して明るくしたのが、横山の好投だった。「横山がよく投げたので、ピリッとベンチのムードが変わった」と濃人監督もいう。五、六回の南海を三人ずつで片付けたピッチングが、江藤の3ホーマーをはじめとする16安打の猛攻の伏線となったのだ。
横山小次郎。二十九歳。四十一年近大からロッテに入団。四十三年に34試合に登板して4勝4敗を記録したほか、勝ち星はなかった。昨年は公式戦に出場せず、ほとんど二軍生活。その中で目立った記録を拾えば、昨年のイースタン・リーグで10勝7敗の成績を残し、最多勝利投手となっているくらい。ことしも二軍生活がつづいたが、六月一日のイースタン・リーグで東映をノーヒット・ノーランに押えて、やっと一軍入りした。六月三日の近鉄戦が公式戦初登板、首位攻防の阪急戦にも二試合登板した。大事な中継ぎを任され、二試合、3回を1安打の0点に押え「中継ぎに十分使える」と濃人監督の信頼を得た。「精神的に疲れたが、大事なところで使ってくれるので張り合いがある。投手陣が苦しいから、自分がやらなければいけないと考えがんばった」横山の顔にはうれしさよりも堅さがあった。大阪遠征で使い切った投手陣。ロッテにとっては、今シーズン初めての苦しいローテーションになったが、ここで横山が出てきたのは「明るい材料」(濃人監督)だ。
横山 ロッテに救いの神
「やはりホッとした気持ちが強く、緊張感はなかった」四回で降板した木樽は、こういう。ピリピリと神経をとがらせた阪急戦に二連敗した虚脱感はぬぐい切れなかったようだ。二度のリードを守りきれなかったエース・木樽の不調は、前半のロッテに苦しい思いをさせた。「みんな私と同じですよ」と、木樽がいうように、盛り上がりのないベンチの気分は得点してもすぐ追いつかれる試合運びが輪をかけて、「前半は非常にムードが悪かった」(江藤)と、打撃陣にも暗い気持ちが広がりつつあった。こんなムードのロッテ・ベンチを一転して明るくしたのが、横山の好投だった。「横山がよく投げたので、ピリッとベンチのムードが変わった」と濃人監督もいう。五、六回の南海を三人ずつで片付けたピッチングが、江藤の3ホーマーをはじめとする16安打の猛攻の伏線となったのだ。
横山小次郎。二十九歳。四十一年近大からロッテに入団。四十三年に34試合に登板して4勝4敗を記録したほか、勝ち星はなかった。昨年は公式戦に出場せず、ほとんど二軍生活。その中で目立った記録を拾えば、昨年のイースタン・リーグで10勝7敗の成績を残し、最多勝利投手となっているくらい。ことしも二軍生活がつづいたが、六月一日のイースタン・リーグで東映をノーヒット・ノーランに押えて、やっと一軍入りした。六月三日の近鉄戦が公式戦初登板、首位攻防の阪急戦にも二試合登板した。大事な中継ぎを任され、二試合、3回を1安打の0点に押え「中継ぎに十分使える」と濃人監督の信頼を得た。「精神的に疲れたが、大事なところで使ってくれるので張り合いがある。投手陣が苦しいから、自分がやらなければいけないと考えがんばった」横山の顔にはうれしさよりも堅さがあった。大阪遠征で使い切った投手陣。ロッテにとっては、今シーズン初めての苦しいローテーションになったが、ここで横山が出てきたのは「明るい材料」(濃人監督)だ。