プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

横山小次郎

2012-12-15 07:45:33 | 日記
脱阪急ショック

横山 ロッテに救いの神

「やはりホッとした気持ちが強く、緊張感はなかった」四回で降板した木樽は、こういう。ピリピリと神経をとがらせた阪急戦に二連敗した虚脱感はぬぐい切れなかったようだ。二度のリードを守りきれなかったエース・木樽の不調は、前半のロッテに苦しい思いをさせた。「みんな私と同じですよ」と、木樽がいうように、盛り上がりのないベンチの気分は得点してもすぐ追いつかれる試合運びが輪をかけて、「前半は非常にムードが悪かった」(江藤)と、打撃陣にも暗い気持ちが広がりつつあった。こんなムードのロッテ・ベンチを一転して明るくしたのが、横山の好投だった。「横山がよく投げたので、ピリッとベンチのムードが変わった」と濃人監督もいう。五、六回の南海を三人ずつで片付けたピッチングが、江藤の3ホーマーをはじめとする16安打の猛攻の伏線となったのだ。
横山小次郎。二十九歳。四十一年近大からロッテに入団。四十三年に34試合に登板して4勝4敗を記録したほか、勝ち星はなかった。昨年は公式戦に出場せず、ほとんど二軍生活。その中で目立った記録を拾えば、昨年のイースタン・リーグで10勝7敗の成績を残し、最多勝利投手となっているくらい。ことしも二軍生活がつづいたが、六月一日のイースタン・リーグで東映をノーヒット・ノーランに押えて、やっと一軍入りした。六月三日の近鉄戦が公式戦初登板、首位攻防の阪急戦にも二試合登板した。大事な中継ぎを任され、二試合、3回を1安打の0点に押え「中継ぎに十分使える」と濃人監督の信頼を得た。「精神的に疲れたが、大事なところで使ってくれるので張り合いがある。投手陣が苦しいから、自分がやらなければいけないと考えがんばった」横山の顔にはうれしさよりも堅さがあった。大阪遠征で使い切った投手陣。ロッテにとっては、今シーズン初めての苦しいローテーションになったが、ここで横山が出てきたのは「明るい材料」(濃人監督)だ。

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大石清

2012-12-15 07:18:37 | 日記
度胸と速球で勝負

スライダー、シュートも覚える


二年目のジンクスなんかどこ吹く風といった調子で、大石は完全に広島のエースにのしあがった。十三勝五敗(二十七日現在)の星は文句無く光る。大石が入団したとき、井(日鉄二瀬)興津(専修大)上田(関大)らの有名選手の派手な入団にかくれて、まったく目立たなかった。紹介のときも青白い顔の少年が「大石です。清水商出身です」とポッキリ言ってペコリと頭をさげた。白石監督は「井ら三人を除いて、あとは二、三年、二軍で鍛える方針」といっていた。だから正直なところ、いまの働きを予想した人はいない。ところが、その春、試験的にオープン戦の南海戦で登板した。ここで南海の選手はもちろん、ファンも、ナインも大石の度胸にアッと驚かされた。打者が岡本のときだった。手もとが狂ったのかビンボール。怒った岡本は大石めがけてバットを投げつけた。ところが、当の大石はマウンドからゆっくりと降りたと思ったら、バットを岡本へ投げ返し、このあと凡ゴロに打ち取ってしまった。このとき「根性のあるやつ」とコーチ陣は大石を見直したという。ことしの春「二年目のジンクスは気になるだろう」といったら「そんなものあるんですか」とケロリとしていた。六月はじめ「すばらしいね」と打診したら「はあ、おかげ様で」と急に大人になった感じである。昨年の大石は度胸のよさと外角低めの速球だけで、九勝をかせいだといってもよいくらいだ。当時、藤村コーチが「あいつは本当のところシュートが投げられない。カーブも甘い。それで投げているのだから不思議なものだ」といっていた。ことしは持ち前の速球にスライダー、シュートを覚えたのだからジンクスなんか、ふっとぶのも道理。だがこんな見方をする評論家もいる。「若いうちはあれでよい。しかし、あのフォームは、一つガタが乗るとくずれるおそれがある。いまのように酷使されたらもたない」1㍍78、67㌔、身体は決して大きくない。二十歳でエースになったが、練習後にはボール集めをしたりして、先輩を立てる態度は気持ちがよい。このまま成長すればまだまだのびることはまちがえない。

大石投手の話

フィルムで自分のピッチングを見たが、思ったよりよかった。僕のピッチングは軸足が生命と思う。だからいつもスタンスや足首の方向を考えている。いまは外角低めの直球をもっと生かすため、シュートに制球力をつけるよう練習している。いやな打者は、中、江藤さんらの中日打線。目標は十五勝といったところ。

巨人 長島選手の話

いい投手だ。球にノビがある。だから手もとで切れてくる。スピードのある投手で手もとへきてノビないと打ちやすいのだが、大石にはこの手もとの変化でやられている。それにモーションから投げる感じより球威があるので打ちにくい。いつもスピードで押される感じで打てない。

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