中学2年の秋の終わり頃だったかな。
おやじとおふくろが囲炉裏にあたっていた。
でも、なんとなくおかしな雰囲気だった。
おやじの話す言葉にとがるものがあった。
おれは、テレビをひとりで観ていた。
兄はお風呂に入っていた。
いきなり「バチン」という音がした。
振り向いて囲炉裏のほうを見ると、
おやじが火箸でおふくろの背中を殴っていた。
火箸の材質は鉄で、5ミリほどの太さで
30センチぐらいの長さだった。
それを2本わしづかみにして、
おやじがおふくろの背中を何度も叩いていた。
「父ちゃん、やめでころよ。やめでころよ」
おれは叫んだ。
おふくろは立ち上がって座敷を駆けて逃げた。
そして縁側の端の雨戸を開けて庭へ逃げた。
兄が急いで風呂から出て来た。
おやじは雨戸を閉め、
「2度と家(うぢ)にいれねぇかんな」
と庭に向かってどなった。
そのあとしばらくしてから、
兄とおれとでおふくろを家の中に入れた。
そのあと、どうしたのかよく覚えていない。
あとで兄から聞いた話では、
その日、畑に行くときおふくろは
仕事に必要なものを持って行かなかったらしい。
それにおやじは腹を立てていた。
おそらくそれまでにもおふくろは、
そんなことが何回もあったのだろう。
おやじもその日は我慢ができなくて、
あんなことになったようだ。
あの日はホントに怖かった。
おやじがおふくろを殴るのを見たのはあのときだけだった。
目をつぶるとあのの光景が浮かぶ。
生家の“いろり端”にはいろんな思い出がある。
家族が集まる場所なのでいろいろな出来事が起きたのです。
こんなことを書いていると、ちょびっと涙がにじんだりする。
おやじとおふくろが囲炉裏にあたっていた。
でも、なんとなくおかしな雰囲気だった。
おやじの話す言葉にとがるものがあった。
おれは、テレビをひとりで観ていた。
兄はお風呂に入っていた。
いきなり「バチン」という音がした。
振り向いて囲炉裏のほうを見ると、
おやじが火箸でおふくろの背中を殴っていた。
火箸の材質は鉄で、5ミリほどの太さで
30センチぐらいの長さだった。
それを2本わしづかみにして、
おやじがおふくろの背中を何度も叩いていた。
「父ちゃん、やめでころよ。やめでころよ」
おれは叫んだ。
おふくろは立ち上がって座敷を駆けて逃げた。
そして縁側の端の雨戸を開けて庭へ逃げた。
兄が急いで風呂から出て来た。
おやじは雨戸を閉め、
「2度と家(うぢ)にいれねぇかんな」
と庭に向かってどなった。
そのあとしばらくしてから、
兄とおれとでおふくろを家の中に入れた。
そのあと、どうしたのかよく覚えていない。
あとで兄から聞いた話では、
その日、畑に行くときおふくろは
仕事に必要なものを持って行かなかったらしい。
それにおやじは腹を立てていた。
おそらくそれまでにもおふくろは、
そんなことが何回もあったのだろう。
おやじもその日は我慢ができなくて、
あんなことになったようだ。
あの日はホントに怖かった。
おやじがおふくろを殴るのを見たのはあのときだけだった。
目をつぶるとあのの光景が浮かぶ。
生家の“いろり端”にはいろんな思い出がある。
家族が集まる場所なのでいろいろな出来事が起きたのです。
こんなことを書いていると、ちょびっと涙がにじんだりする。