いっぺんさん

2014年04月05日 | 健康・病気

今日の「ラジオ文芸」は、作:朱川湊人の「いっぺん」さんという短編小説だった。
私が、午後出勤のときは「ラジオ文芸」を布団の中で必ず聴いている。
しかし、ここんところ私の感性をふるわすような作品はなかった。
私はこれまで、朱川湊人の小説をひとつも読んだことがありません。
どうせ今日の小説もだめだろうな、と勝手に決めつけていた。
ところが、朗読が始まると私は小説の世界に引き込まれていった。

子どものとき、私と親友のしーちゃんは、祖母のふるさとの村にある小さな祠(ほこら)を自転車で訪ねた。
「いっぺんさん」という神様に願い事をするためにです。
「いっぺんさん」は、たったひとつだけ願い事を叶えてくれるという。
しーちゃんは、大きくなったら白バイの警官になることが夢だった。
ところがしーちゃんのお父さんは、過去に警察に捕まるような悪いことをしていた。
犯罪者の子どもは、白バイの警官になれるのだろうか?と、しーちゃんは私に聞く。
そんなのは分からないが、「いっぺんさん」にお願いしに行こうとなったのだ。
「いっぺんさん」に願い事をしてきたあとに、しーちゃんは死んでしまう。

このあとのこと書きたいのだが、書きません。
なんてことはない、正確に覚えていないので間違ったことを書いては申し訳ないからです。
「ラジオ文芸」は、8時45分で終わるのですが、8時35分の頃、私の目から涙が流れて、
おふくろが作ってくれたそばがら枕を濡らした。
気持ちよい涙だった。

ああ・・・いい話だな。
こんな物語をおれは書けないだろうな、と思った。
思ったけど、いつか書きたい。

コメント
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