壊れたPASMO

2016年10月17日 | 健康・病気

昨日、きょうだいと会うために東京に行った。
1年ぶりに、きょうだい全員と会うのです。
いつもは駅までバスで行くが、女房に駅まで車で送ってもらった。
駅に着いたときに、PASMOに2000円チャージしておこうと思った。
だいたい私はPASMOに1000円ほど残金があるようにしている。
東京まで行くと交通費がかなりかかるので、前もってチャージしておこうと考えたのです。
機械にPASMOを入れてチャージをしようとしたが、
「このカードは読み取れないので確認して下さい」のような表示が出た。
2回やってみたが同じだった。
駅の事務所に行って駅員にそのことを話すと、
「PASMOが壊れたのでこれは使えません」といわれた。
「このPASMOは買って10年ぐらいだけど壊れるんですか?」と訊くと、
「PASMOはよく壊れるので、みなさん2年ぐらいで交換しています」という。
そういうことは聞いたことがない。
「この中にいくらか残っているんですが、どうしたらいいんですか?」
「いってくれればこのPASMOを直します。でも使えるのは明日になります」と20代の駅員がいう。
私が乗ろうとしていた電車まであと5分しかなかった。
悩んだ末に、PASMOを直すのは東京から帰ってからにして、今は新しいのを買ってしまおうと考えた。
駅員は、「PASMOを直すのはいつでも出来ます」といった。
私は、東京から夕方帰ってきて駅事務所に行って事情を話し、壊れたPASMOを駅員に渡した。
駅員は、カードを読み取り機に載せると、
「このカードは壊れてないですね。読み取れますよ。
 きっと、朝は汚れとかがあってダメだったんじゃないですか?」という。
私は、またそのPASMOは読み取れないときがあるのではないかと考え、“直して”くれるように依頼した。
ところがPASMOを直すと明日になるという。
私は毎日PASMOを使ってないのでそれは困るといった。
わざわざ直ったPASMOを受け取るために駅に来ることは出来ない。
「それでは、そのPASMOの残金を払い戻して欲しい」と私がいうと、
「これは記名カードなので身分を証明するものはありますか?」と駅員がいう。
「免許証は家に置いてあり持ってない」というと、「それでは払い戻しは出来ない」という。
仕方ないので、後日払い戻しをしようと駅を出た。
バスに乗ったときに、“壊れていない”PASMOを読み取り機に接触させると「エラー」になった。
私は腹が立った。
駅員は、このPASMOは壊れてない、といったのだ。
今日買ったPASMOを接触させてバスに乗った。
私は昨日、きょうだいと久しぶりに会って気分よく帰ってきたのに、PASMOの件でその気分よさが全部吹っ飛んでしまった。

コメント (6)
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55歳からのハローライフ

2016年10月17日 | 健康・病気
「55歳からのハローライフ」(村上龍 著 玄冬社 刊)を読んだ。
5つの中編がおさめられています。
 
「結婚相談所」
中米志津子は、60歳で定年退職した夫が、再就職に失敗し続けたあげく、
点けっぱなしにしたテレビに向かって1日中文句と愚痴をいうようになった。
いっしょにいることが耐えられなくなって、ホテルにパートで働くようになった。
客室係の仕事が終わると、家に帰りたくなくて、ホテルの近くの喫茶店で時間をつぶした。
その店主の老婦人からアールグレイという紅茶を勧められ、その紅茶が好きになった。
以来、ホテルのパートを辞めたあとも、定期的にアールグレイの紅茶を買うようになった。
結局、中米志津子が54歳のときに、離婚した。
55歳にして初めての一人暮らし、経済的なことを考えて再婚を考えてみた。
しかし、1人で暮らしても寂しいことはない。
ただ、別れた夫以外の男と付き合ってみたかった。
性的なことも含めて、夫以外の男と接したことがない。
夫とは違うタイプの男を求め、結婚相談所に入会して見合いを繰り返す。
しかし、思うような相手は見つからず、自信を失って寂しさを募らせていく。
夫からは、復縁を迫るメールが届くようになり、志津子は進むべき方向性を見失っていく。
 
「空を飛ぶ夢をもう一度」
人は案外簡単にホームレスに転落する、因藤茂雄は、そう思っている。
6年前、それまで勤めていた小さな出版社を54歳でリストラされた。
因藤茂雄は、東京の私大の文学部を出て、作家を目指していた。
小さいころから、本を読んだり文章を書いたりするのが好きで、中学2年のときには作文で市長賞を取った。
因藤茂雄は、子どものときからおいしい水が好きだった。
大人になって社会人になってからは、いろいろなミネラルウォーターを買うことが唯一の楽しみだった。
腰痛を我慢して工事現場の誘導員をしていたある日、中学時代の親友だった福田に声をかけられる。
福田は現場近くの高級住宅街で暮らしているという(それはウソだとあとでわかる)。
卒業以来忘れていた親友との記憶が少しずつよみがえる因藤。
しかし、1ヶ月後、福田が泊まっている旅館の者から山谷へ呼び出される。福田はホームレスだった。
 
「キャンピングカー」
富裕太郎は、定年退職したらコーヒーを好きなだけ味わうのだと決めていた。
会社の早期退職に応じる形で、定年を迎えることになったのは半年前の秋だった。
早期退職に応じたのには2つの理由があった。
会社の営業方針が変わったことと、ある計画のために早期退職優遇制度による特別加算金が必要だった。
富裕の計画とは、中型のキャンピングカーで、妻と日本全国を旅することだった。
家族との時間を取り戻したい一心だったが、妻からは猛反対され、娘からは再就職を促される。
仕方なく職探しを始めるが、中高年の再就職の現実は厳しい。
この主人公が職を求めて悪戦苦闘する様は、現在無職の私には身につまされた。
 
「ペットロス」
高巻淑子は、イシグロさんの家に招待されるのが好きではなかった。
イシグロさんは、夫の元取引先の会社の専務取締役で家の近所だった。
高巻淑子は、イシグロさんの家に行ったときの夫(6年前に定年退職)の態度がイヤだった。
彼女はホームパーティが嫌いではなく、そこで飲んだプーアル茶が大好きになった。
高巻淑子は、子どものときから犬が飼いたかった。
柴犬を飼うことを犬嫌いの夫に認めさせた。
ブリーダーから買った柴犬にボビーという名前をつけた。
高巻淑子は、一日中家にいることがストレスでたまらない。
唯一の逃げ場は、公園で愛犬家仲間の男と語らうこと。
ある日、淑子は愛犬の様子がおかしいことに気づく。
診断の結果、重い心臓病で余命わずかであることがわかる。
だが、夫は相変わらず冷たい態度をとり続ける。
淑子は愛犬とともに小部屋にこもり、懸命の看病を続けるのだが・・・。
 
「トラベルヘルパー」
長距離大型トラックの運転手だった下総源一は60歳でリストラされ、今は不定期便のアルバイトをしている。
おれくらいお喋りが好きな人間がこれほどの孤独にさいなまれるというのはいったいどうゆうことなのだろうか。
下総源一は、スーパーの安売りで買った狭山茶の新茶を、1つだけ残しておいた三河内焼の茶碗でのみながら、
そんなことを考えて、何度もため息をついた。
ひよっとしたらこれが人生の転機となるかも知れない、そう思えるような出来事が起こったのは、
ちょうど梅雨が明けるころだった。
貯金の額が50万を切り、宅配便のアルバイトをはじめるか、あるいはさらに安いアパートを探すか、
そろそろ決断しないとこのままではやばいと思っていたときに、
そのときに読んでいた「ゼロの焦点」が読み終わり、そろそろ本の補充が必要だと古本屋に向かった。
独り身のアパート生活を慰めるのは趣味で始めた読書だった。
源一は行きつけの古書店で店主と親しげに話す客・堀切彩子と知り合い一目ぼれする。
惰性のように送っていた生活にが然ハリが出てくる源一。
かつてのプレイボーイぶりを発揮し、頻繁に彩子を誘ってはデートを重ねるのだが・・・。
 
私は、村上龍の小説を読むのは、彼が芥川賞をとった「限りなく透明に近いブルー」以来だった。
あの小説の印象が悪く、それで彼の小説はひとつも読んでこなかった。
彼は、私と同じ歳です。学年でいうとひとつ上です。
村上龍が芥川賞をとったときにはすごいな、と思った。
でも、受賞作品を読んでがっかりした記憶がある。
この「55歳からのハローライフ」はよかったです。
これをドラマにしたのを昔観たような・・・、といっても、ほとんど覚えていないんですけどね。
この小説は読んでよかったです。

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