俳句的生活

2016年10月26日 | 健康・病気
「俳句的生活」(長谷川櫂 著 中公新書)を24日読了した。
これまで俳句のことを書いた本をいくつか読んだが、この本が一番勉強になりました。
長谷川櫂という俳人は、1954年生まれですから私より2歳年下です。
東大法学部卒業、読売新聞社勤務ののちに創作活動に専念、
現在、俳句結社「古志」主宰、朝日俳壇選者、と本の奥付に書いてあった。
長谷川櫂という俳人は、社会の地べたを這うような私の暮らしとは、
比べてもしかたのない素晴らしい生き方をしています。
(こういう方の履歴をみると、自分が情けなくなります)
 
私がこの人の本を読んでみたいと思ったのは、朝日俳壇で私の句を拾ってくれたからです。
そのときはこの人がどういう人がまったく知らなかった。
この本を読んで、この人のことをもっと知りたいと思いました。
 
昨日、図書館に行って朝日新聞の俳壇のページを見たら、
私の“師匠”の句が、長谷川櫂の一席にとられていた。
 
   人魚載すやうに葡萄を手の平に   渡邉 隆
 
「横ずわりの人魚のように。あるいは横たわる人魚のような一房の葡萄。」
と長谷川櫂が書いていた。
私が葡萄を食べるときは、皿においたまま葡萄から一粒づつとって食べます。
食べる前に一房を掌に載せるということはしない。
葡萄を掌に載せて、それを人魚にたとえる着眼点が素晴らしい。
葡萄のみずみずしさが伝わり、そしてちょっぴりエロティシズムも感じます。
良い句だなと思う。

コメント
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