さて、実家に到着して楽器を確認してみると、購入時に楽器店からの運搬に使用された段ボール箱(通常の物よりもかなり頑丈)がまだ残っていて、それを使えることが判明したので、梱包は思ったよりも楽だった。
そしてドイツに戻る当日。
ルフトハンザのカウンターで楽器を預けるときに、スタッフから『ルフトハンザは
壊れ物用のタグはない
のですが、梱包は大丈夫ですか?積み荷が崩れて楽器の上に落ちる可能性もあります』などと説明され、それも了承。スタッフが箱の大きさを計測し、規定よりも若干大きかったけれど、他のスタッフと少し話し合った結果
無料
で運んでもらえることになった(預けたスーツケースと楽器で合計受託手荷物4つ)。ちなみに、大きさの超過は10センチ未満(数センチ)だったと思う。重さは予想通り10キロ程度だった。
無事ドイツで楽器を受け取り、税関へ。ドキドキしながら赤いゲートをくぐったら、
オフィスは暗く、「一時閉鎖」の張り紙
がされていた。張り紙に「税関のオフィスはここ」という案内が出ていたけれど、地図がなかったので、探すのに手間取った。
ようやくオフィスを見つけ、中に入り、オフィス訪問の理由を説明した。
税関職員の反応は、『なるほどねぇ。
良く弾きこんであって、10年間埃をかぶっていた楽器
ねぇ…』
ちなみに、「良く弾きこんである」とは一言も言っていない。
税関職員がさらに続ける。『これがギターだったら、専門家がいるから現在の市場価値を出せるんだけどねぇ。良く弾きこんであって、10年間埃をかぶっていた楽器なんだよね。うんまぁ、
無税
と言うことでいいでしょう』
ということで、お支払いはここでも免除となった。ありがたい。たぶん、楽器の価格もそこまで高額ではないのに加え、わざわざ税関のオフィスを訪ねていき、正直に話をしたので、税関職員が「無税になる理由」をつけてくれたのだと思う。
いつもドキドキしながら通り過ぎていたけれど、正直に申告すれば怖い場所ではないんだな、と思った。
税関つながりでもう一つ。
ドイツから日本に到着して税関を通った時、税関職員がソクチくんと私のパスポートを確認しながら『ドイツで一緒に住んでいるんですか?』と聞いたので、『はい』と答えたところ、『うーん。その荷物をちょっと見せてもらっていいですか?』と言われ、指をさされた方のスーツケースを職員に近づけたら、
スーツケースを人指し指で押した
そして、『そちらのもいいですか?』と、私が持っていたスーツケースも同様に人指し指で押し、『はい、OKです』となった。何だったんだろう…