そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

「リクルートという奇跡」 藤原和博

2006-02-20 23:47:52 | Books
リクルートという奇跡

文藝春秋

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筆者の藤原和博氏は東京大学経済学部在学中からリクルート社でアルバイターとして働き、1978年当時まだ無名だった同社にそのまま入社した。
営業や新規企画部門に携わりながら、会社の急速な成長とともに若くして社内での存在感を高める。
突然同社を襲った一大スキャンダル「リクルート事件」や、ダイエーによる企業買収など、大きな危機を経験しながら同社初のフェロー(客員社員)となり、2003年同社を離れ、東京都初の民間出身校長として現在は杉並区立和田中学校の校長を務めている。

リクルートという類稀なる企業で、魅力的な仲間たちとともに突っ走った筆者の若き日々が躍動感をもって書き記されている。
リクルート事件やダイエーによる買収といった一大ピンチに、彼が何を思いどう行動したのか、特にリクルート事件真っ只中「サンデープロジェクト」に出演して田原総一郎と対決したエピソードなど、当時の筆者が今の自分とほぼ同じくらいの年齢であったことを考えると非常に刺激を受ける。

たまたま今日の日経朝刊にも記事があったが、リクルートという会社は「40歳定年説」が言われるほど転職して各界に有能な人材を送りこむ会社だ。
もっとも有名なのはNTTドコモでiモードの仕掛人となった松永真理氏(現バンダイ取締役)だろうが、それ以外にもたくさんの人材が様々な分野で活躍しているという。
外の社会に出てもそのまま通用する能力を身につけるだけの、自律的で能動的な行動をとる文化が会社に根付いているということだろう。
筆者はこれを「リクルートマンシップ」と呼び、この上ない誇りを抱いている。

リクルートの社員信条は、
「自ら機会を創り出し、機会によって自分を変えよ」
というもの。
自ら機会を創り出す、簡単なようで難しいことだが、一方で心がけ次第で誰にでもできることだとも言える。

もちろん企業文化というか社風というのは一筋縄で変えることはできず、全ての人がこの本に書かれているリクルートの人たちのように振舞うのは難しいとは思うが、自分自身にとっても今後サラリーマン人生を歩んでいく上で貴重なヒントを与えてくれる、非常に刺激的な本だったと思う。
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