そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

少子化対策の打ちどころ

2006-08-29 23:26:00 | Society
今朝の日経新聞朝刊経済教室面「やさしい経済学-論争に迫る 少子化対策」(小塩隆士神戸大学教授)は、「結婚前か結婚後か」というテーマで、興味深い内容が述べられていた。

少子化傾向を測る指標としては「合計特殊出生率(ひとりの女性が一生に出産する子供の数)」よく知られているが、ここでは「完結出生児数」という指標が紹介されている。
これは、「結婚後15~19年の夫婦の平均子供数」を示す数値だそうだ。
この完結出生児数、1970年代前半から2002年まで2.2人前後で安定的に推移してきたとのこと。
言い換えれば、「日本人は結婚さえすれば、平均二人強の子供を生み育ててきた」ことになる。

現在議論されている少子化対策としては、託児施設の拡充、出産・育児手当の充実など、いずれも「基本的に既婚カップル向けの子育て支援策」である。
ところが、上記の完結出生児数の推移からは、日本の少子化の主因は結婚後にあるのではないことになる。
つまり、晩婚化・非婚化が少子化の主因であることになり、現在の少子化対策は的外れということになってしまう。

ここにきて、長きに渡り安定的に推移してきた完結出生児数も2005年に2.09人に急激に低下したそうだ。
ただ、そこにもやはり晩婚化・晩産化が影響しているのではないか、と筆者は指摘する。

少子化の流れもさらにワンステージ上の段階に入りつつあるということか・・・
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