今日の日経新聞「大機小機」は”隅田川”氏による「違和感あるアジア内需論」。
なかなか辛辣で妙味でした。
「アジアの内需を日本の内需と位置付けるべきだ」との「アジア内需論」に違和感があるという話。
第1に、アジアの内需を日本の内需と考えるのであれば、裏返せば日本の内需はアジアの内需ということになる。アジア内需論を唱える人々は、そうした考え方に基づいてアジア諸国がどんどん日本への輸出を増やしても構わないと言うだけの度量があるのだろうか。
第2に、文字通りアジアの内需と日本の内需が同じだというのであれば、アジアの人々が内需を増やして生活を豊かにすることは、日本人の生活が豊かになるのと同じように喜ばしいことになる。アジア内需論を唱える人々はそう言い切るだけの度胸があるのだろうか。
第3に、要するにアジア内需論は、輸出主導型の成長戦略である。その一方で「輸出主導から内需主導へ」というスローガンがあるので、矛盾しないよう別の表現に言い換えただけえはないのか。
アジアへの輸出を増やすことによって日本の内需を拡大し、アジアからの輸入もまた増やす。そうすることによって日本とアジアがともに発展していくことを目指す。奇妙な言い換えなどせずに、堂々とそう主張すればよいのではないか。
3点目のように政治的に何となく耳触りがよいだけで、本質的には何の意味もないご論って多いよな。