そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

情報支配という新たな独占

2010-07-28 20:21:05 | Economics
独禁法上「問題ない」と回答=ヤフー・グーグル提携で―公取委(時事通信) - goo ニュース

市場独占による過度な価格支配力の集中を防ぐ、という公取委・独禁法の伝統的な視点からすると、確かに「問題ない」のかもしれません。
検索事業はそもそも無料サービスだし、広告事業についても検索連動というセグメントでは「独占」であっても他の広告媒体との間では価格競争が働くので、ヤフーとグーグルが一緒になったからと言って即広告費が高止まりするということもないでしょう。

むしろこの場合、グーグルの検索エンジンが「情報支配力」というネット社会ならではの新たな独占支配をしうる立ち位置につくことのほうが問題と思われ。
現状の公取委・独禁法スキームは、そうした新たな独占支配力をそもそも想定しておらず、評価したり取り締まったりする体制になっていない、というのが実情なのではないかと。

日本のヤフーは「公取委が問題ないと言っているからいいのだ」と主張しているようですが、それだけでは済まないように思います。
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