そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

疑心暗鬼の世

2011-03-25 23:59:41 | Society
地震から二週間。

未だ福島第一原発は予断を許さぬ状況にあり、また罹災地では物資の窮乏や復旧ままならぬライフラインの下、不自由な避難生活を送っている方が大勢いるという現実には心を痛めずにはいられません。

一方で、東京での生活は、相変わらず夜は暗いし、通勤電車は混んでるし、CMはACが多いけど、それでも少しずつ落ち着きを取り戻しつつある気配はします。
仕事もほぼ平常モードになってきて、地震後しばらく止まっていた仕事が一気に再開し始めて、気がつけば年度末だったりもして、けっこう忙しくなってたり。

さて、ここにきて関東地方でも水道水や農産物から基準量を超える放射性物質が検出され、様々な疑心暗鬼を呼んでいます。
「ただちに健康に影響はないが、念のため控えていただきたい。」
こんな訳のわからんこと言われりゃ、そりゃ混乱しますわ。
健康に影響がないんなら「大丈夫」って言い切ればいいのに、後から大丈夫じゃなかったことがわかったら責任問題になるリスクを恐れて歯切れの悪い言い方してんだよね。
どうせどっちにしたって責任を逃れられるわきゃないんだから、腹くくれよって話です。

情報を受け止める側にも問題ありますけどね。
リスクって結局確率分布なんだから、「ある」か「ない」かの二者択一で答えを迫るのはそもそもナンセンスなわけです。
「リスクがある」って言われりゃ不安で浮足立つし、「リスクがない」って言われりゃ「嘘ついてるんじゃないか」と疑心暗鬼に陥る。
どっちにしても救われません。

自分も、政府や東電やマスコミが全ての情報を明らかにしているなんて甘い考えは持ってやしませんが、だからといって疑い出したらいくらでも悪いことを想像出来ちゃうわけです。
精神衛生上よろしくないですね。

幸い今はネットという便利な世界があって、Twitterでもブログでも様々な立場の人の様々な説明や主張を見較べることができます(リテラシーさえあれば、ですが)。
ネットの情報はもちろん玉石混交ですが、テレビや新聞から流される一方的な情報だけでなく多様な主張が存在し、お互いに相互牽制する状況にあるってことが大切なわけです。
できるだけ多様な情報を収集しながら、思い込みを捨てて事実に基づく判断だけを拾っていく。
そうやっていくしかありませんね。
コメント
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