菅首相が昨晩突然発表した浜岡原発の停止要請が大きな反響を呼んでいます。
自分がこのニュースを知ったとき、初めに頭に浮かんだのは「政権浮揚のための人気取り」だなということ。
報道されている発表の内容をよくみるにつけ、論理性と合理性を欠いていることばかりが目につきます。
断っておきますが、自分はけっして原発推進派ではありません。
今回の福島第一原発で起こっていることをみても、原発という仕組みが、いったん事が起こった際のあまりの影響の大きさ・対応コストを織り込んだ上で経済的にペイするものではないことは明らかだと思います。
政・官・学・電力会社・マスコミで構成される”原子力村”が進めてきた原子力行政は欺瞞に満ちており、今や将来のエネルギー・電力事業の在り方をゼロベースで見直すべき時だと考えています。
ただし、だからといって現状稼動している原発を闇雲にこの世から無くしてしまおうというヒステリックな「反原発」にも与しません。
それは単なる思考停止に過ぎない。
菅政権の浜岡原発停止要請も、そのような情緒的な「反原発な気分」に乗じた弥縫策であるように感じています。
首相は、浜岡原発を停止させている間に「防潮堤の設置など、中長期の対策を、確実に実施することが必要」と言っていますが、これがまずナンセンス。
東海地震の危機が切迫しているというのなら「中長期の対策」なんて悠長に過ぎる。
今日明日にでも大地震が発生するリスクがあるのだから、地震・津波対策は今すぐの課題。
今回の大震災で判明した最大の問題点は、想定を超える大津波に襲われて緊急バックアップ用の電源装置が故障し、原発の冷却機能が失われたことであり、その観点での対策を打つことが最優先事項ではないか。
防潮堤の設置というのもよく分からない。
いったい何メートルの防潮堤を築くつもりなんだろう?
津波の大きさなどいくら想定しても想定し切れないということが痛感されたのが今回の震災ではなかったのか。
そもそも福島第一原発では停止中だった4号機でも水素爆発が起こったのであり、停止させたから即安全というわけでもない。
要するに、福島での教訓がまったく生かされていないように思えるのです。
今回の要請を、脱原発へと行政を大転換する契機として「英断」と評価する向きもあるようですが、留意しなければいけないのは「停止する」と言っているだけで「廃炉する」ではないこと。
しかも浜岡だけを対象にしていることも論理一貫性に欠ける。
地理的条件など諸条件から浜岡が最も地震に対するリスクが高い原発であることは確かでしょうが、全国に散らばる多数の原発だってリスクの差は相対的なものでしかない。
浜岡が危険だというなら、柏崎も敦賀も泊も同じ対応をすべき。
中部電力は、電力供給の原発依存度が15%と比較的低く、浜岡が「最も停めやすい」原発であるということを考え合わせると、浜岡をスケープゴートとして問題を局所化することで、原発スキームをなるだけ現状のまま温存しようとする”原子力村”の策略ではないかと勘繰りたくもなります。
停止要請には賛否両論あるものの基本的には歓迎ムードで受け止められており、震災以降存在感を失っていた菅首相がリーダーシップを演出に成功したのは確かだと思います。
これで内閣支持率も多少は上がるでしょう。
政治的には時を得た妙策だったと思いますが、これで根本的な問題が改善されるとは思えません。
自分がこのニュースを知ったとき、初めに頭に浮かんだのは「政権浮揚のための人気取り」だなということ。
報道されている発表の内容をよくみるにつけ、論理性と合理性を欠いていることばかりが目につきます。
断っておきますが、自分はけっして原発推進派ではありません。
今回の福島第一原発で起こっていることをみても、原発という仕組みが、いったん事が起こった際のあまりの影響の大きさ・対応コストを織り込んだ上で経済的にペイするものではないことは明らかだと思います。
政・官・学・電力会社・マスコミで構成される”原子力村”が進めてきた原子力行政は欺瞞に満ちており、今や将来のエネルギー・電力事業の在り方をゼロベースで見直すべき時だと考えています。
ただし、だからといって現状稼動している原発を闇雲にこの世から無くしてしまおうというヒステリックな「反原発」にも与しません。
それは単なる思考停止に過ぎない。
菅政権の浜岡原発停止要請も、そのような情緒的な「反原発な気分」に乗じた弥縫策であるように感じています。
首相は、浜岡原発を停止させている間に「防潮堤の設置など、中長期の対策を、確実に実施することが必要」と言っていますが、これがまずナンセンス。
東海地震の危機が切迫しているというのなら「中長期の対策」なんて悠長に過ぎる。
今日明日にでも大地震が発生するリスクがあるのだから、地震・津波対策は今すぐの課題。
今回の大震災で判明した最大の問題点は、想定を超える大津波に襲われて緊急バックアップ用の電源装置が故障し、原発の冷却機能が失われたことであり、その観点での対策を打つことが最優先事項ではないか。
防潮堤の設置というのもよく分からない。
いったい何メートルの防潮堤を築くつもりなんだろう?
津波の大きさなどいくら想定しても想定し切れないということが痛感されたのが今回の震災ではなかったのか。
そもそも福島第一原発では停止中だった4号機でも水素爆発が起こったのであり、停止させたから即安全というわけでもない。
要するに、福島での教訓がまったく生かされていないように思えるのです。
今回の要請を、脱原発へと行政を大転換する契機として「英断」と評価する向きもあるようですが、留意しなければいけないのは「停止する」と言っているだけで「廃炉する」ではないこと。
しかも浜岡だけを対象にしていることも論理一貫性に欠ける。
地理的条件など諸条件から浜岡が最も地震に対するリスクが高い原発であることは確かでしょうが、全国に散らばる多数の原発だってリスクの差は相対的なものでしかない。
浜岡が危険だというなら、柏崎も敦賀も泊も同じ対応をすべき。
中部電力は、電力供給の原発依存度が15%と比較的低く、浜岡が「最も停めやすい」原発であるということを考え合わせると、浜岡をスケープゴートとして問題を局所化することで、原発スキームをなるだけ現状のまま温存しようとする”原子力村”の策略ではないかと勘繰りたくもなります。
停止要請には賛否両論あるものの基本的には歓迎ムードで受け止められており、震災以降存在感を失っていた菅首相がリーダーシップを演出に成功したのは確かだと思います。
これで内閣支持率も多少は上がるでしょう。
政治的には時を得た妙策だったと思いますが、これで根本的な問題が改善されるとは思えません。