マボロシの鳥 | |
太田 光 | |
新潮社 |
爆笑問題・太田光の処女小説。
うーん。
残念ながらつまらなかった、困ってしまうほどに。
著者はかなりの読書家らしいけど、それが裏目に出ているのか。
どの短編も既視感があるというか、設定もプロットも文章表現も借り物のように感じる。
期待したオリジナリティが全く発露されていないように感じました。
講談師調の『人類諸君!』なんかも何だか町田康の真似事みたい。
自分はNHKの『爆笑問題のニッポンの教養』が好きでよく視てるんですが、番組の中で著者がよく語っている「戦争」「言葉」「芸人」などに対する思想が小説にも散りばめられています。
そのことから、けっして小手先でなく真摯な姿勢で著者がこの小説集を書いたことは窺い知れます。
そのことだけは評価できるように感じます。
しかし、たまたま江國香織の小説と並行して読んだけど、プロと素人の筆力の差って歴然としてるんだなと改めて思い知りました…