今朝の日経朝刊コラム「中外時評」に『13年から減る中国労働力 「一人っ子政策」見直し論も』との記事が出ていました(飯野克彦論説委員)。
昨年11月1日を基準日として10年ぶりに実施された中国の国勢調査の結果を受けて、中国国家統計局の馬建堂局長が4月29日に「確実に2013年から、我が国の労働力資源は徐々に減少する」との見解を発表したとのこと。
この言明に対しては、「人口構造からみると、日本が1990年代に歩んだ経済衰退の道を中国も歩もうとしている。違うのは、日本は豊かになってから老いたのに、中国は豊かになる前に老いることだ」との反応も示されているとか。
また「一人っ子政策」という計画出産政策が深刻な人権侵害の温床になっている側面も指摘されています。
特に驚いたのは以下の部分。
30年以上前に計画出産政策が始まってから、2人目以上の子どもをもうけながら、罰金などの不利益を恐れて届け出ない夫婦が相当の数に上る、といわれてきた。
今回の国勢調査では、2人目以上の子どもを届け出ても不利益は被らない、と政府が約束した。その結果、戸籍登録のない人が全国で1300万人も出てきたのだという。
1300万人!
中国の社会制度における戸籍登録にどれほどの意味があるのか知らないので、これがどれほど深刻な事態なのか判断がつきませんが、それにしてもとんでもない数です。
日本では昨年「消えた高齢者」が話題になりましたが逆パターンですな。
こんな状況になってもなお現政権は今の出産政策を堅持すると表明しているとのことですが、来年最高指導者が交代するタイミングで政策の抜本的見直しがされる可能性に触れて、記事は結ばれています。
が、人口ピラミッド構造は政策が見直されたからといってすぐには変わらないというのが難しいところです。
子どもを持つ親世代が既に少子化しちゃってるわけですからね。
政策ではなく自発的な少子化が進んでいる日本ですらこれほどの人口ピラミッド構造の歪みが出ているわけですから、人為的に少子化を進めてきた彼の国では何をかいわんや。