今日の日経朝刊一面にこんな記事が出ていました。
日本、実は「高金利」 欧米は実質マイナス拡大(日本経済新聞)
日米欧の主要国・地域で、政策金利から物価上昇率を差し引いた実質金利が、そろってマイナスとなった。物価上昇圧力が高まっているが、景気への配慮から利上げに踏み切れないためだ。金融が極めて緩和的な状況といえ、物価上昇を加速させやすい。デフレ傾向の日本やスイスの実質金利は相対的に高く、米国の実質金利との格差は広がっている。これが歴史的な通貨高の原因になっている。
名目金利は同じようにゼロ金利だとしても、欧米は物価上昇している分実質金利はマイナス、日本はデフレで実質金利は相対的に高い→だから円が買われている、というロジックが説明されています。
理屈としては分かるんですが、一方で5面(経済面)にはこんな記事も掲載されています。
日本への資金流入3倍に 1~8月、円相場押し上げ(日本経済新聞)
海外から日本への資金流入が加速している。海外投資家による日本の国債や株式などの買越額は1月~8月27日までの累計で19兆7911億円に上り、前年同期の3.1倍に膨らんだ。欧米の財政問題や景気減速への懸念がくすぶるなか、日本が逃避資金の受け皿となり、円相場を押し上げる構図が鮮明になっている。
こっちの記事によれば、円高なのは海外勢の資金が円に流入しているからだ、という説明になっています。
以下、素人考えですが、これが正しいのだとすると、最初の一面記事の実質金利云々は円高の原因ではない、ということになるんじゃないでしょうか。
日本で生活しているわけでも経済活動しているわけでもない海外勢には、物価が下がってようが上がってようが関係ないように思うんですが、どうなんでしょう?
つまり、
・海外勢は、デフレとか実質金利差とか関係なく、安全資産としての円を買っている。
・日本勢は、相対的に実質金利の高い円を手離さない。
という複合要因で円高になっている、と考えればよいのでしょうか…