経営者が語る戦略教室 (日経ビジネス人文庫) | |
日本経済新聞社 | |
日本経済新聞出版社 |
日経新聞の連載を書籍化したもの。
もともとの連載時期が2012年から2013年にかけてなのでちょっと古い。
原田泳幸氏は日本マクドナルドHD社長として、新浪剛史氏はローソン社長として登場する。
が、どうも面白くない。
鮮度が落ちていることだけがその理由ではない気がする。
「業績回復に挑む」「ITでニーズを掘る」「新たな市場を拓く」などのテーマごとに、3〜4人の経営者が各々10頁程度で自身の体験を語り、専門家(大学教授)が解説するという定型パターンが繰り返されるのだが、いろんなタイプの企業/経営者を取り揃えた結果、表面的・総花的で何がポイントなんだか熱が伝わってこない本になってしまっている気がする。
数少ないが印象に残った箇所を以下メモっておく。
楠木建先生の解説から。
投資は「こうなるだろう」と先を見通す行為だ。未来を予測し素早く機会をとらえる。しかも”見切り千両”だ。後期を捉え売却し利益を得る。必ず終わりがある。
一方、経営は「こうしよう」という意志の問題だ。未来は予測するものではなく自らつくるものだと考える。そして経営に終わりはない。
一方、経営は「こうしよう」という意志の問題だ。未来は予測するものではなく自らつくるものだと考える。そして経営に終わりはない。
オイシックス・高島宏平社長の体験記より。
そのころから私を含む当社の経営陣が信じていることは、新事業がもたらす未来が「一度知ってしまうと元に戻れない世界」であれば新事業は成功するという法則だ。
例えば、ネットでモノを買う便利さを一度知ってしまうと、なかなか手放すことはできない。同様においしくて安全な”本物の食品”の味を経験すると、他の食べ物では満足できなくなるはずだ。当社の成功の背景はそれだと考えている。
新たな事業を始める前には、実現が難しくても消費者が一度味わってみれば、それより前には戻れないモノやサービスを提供できるか検討してみるとよい。私たちはこれを「不可逆性のある未来」と呼んでいる。
例えば、ネットでモノを買う便利さを一度知ってしまうと、なかなか手放すことはできない。同様においしくて安全な”本物の食品”の味を経験すると、他の食べ物では満足できなくなるはずだ。当社の成功の背景はそれだと考えている。
新たな事業を始める前には、実現が難しくても消費者が一度味わってみれば、それより前には戻れないモノやサービスを提供できるか検討してみるとよい。私たちはこれを「不可逆性のある未来」と呼んでいる。