ダルビッシュ投手のレンジャーズ移籍会見について、冷泉彰彦さんの書かれたコラムが興味深かったのでリンクします。
「ダルビッシュ投手の二つの記者会見、私的感想」(Japan Mail Media)
ホント仰る通り、今回の件で日本プロ野球界が完膚なきまでにMLBの軍門に下ったことを思い知らされます。
冷泉さんが書いているように日本の球界から何のリアクションもないことも含めて。
今後田中のマーくんが大投手になればなるほど、日本の球界は「戦いの場」としてのクオリティの面でも金銭面でも彼を繋ぎ止めておくことができない、というか自ら手離すことになるのは目に見えてますね。
ただ、冷泉さんが、野球とサッカーは違う、みたいに書いている部分はやや認識が違うのかなという気はしました。
「サッカーの場合は所属クラブが欧州であっても、A代表の一員であり、それが優先されるというルールが確立している」
「W杯という最高レベルのサッカーは、クラブではなく国別のA代表が戦うのであり、むしろA代表を強化するために有望な選手は欧州クラブに移籍する」
というのあたりややガラパゴスな誤認が混じっていて、欧州組が増えることで日本代表の編成・招集が難しくなっている事実はあるし、W杯<欧州CLというのがむしろ世界的には常識に近いのではないかと思います。
サッカーの場合においても、Jリーグが欧州リーグを頂点としたグローバル・ヒエラルキーの下位に組み込まれているのが現実かと。
本題ではないですが、へーっと思わされたのは以下の部分。
というのは、メジャーのシーズン開始時には「大事な試合の初球は打たない」という掟があるからです。ダルビッシュ級の「新人」がデビュー先発する際の初球も同じで、一つのセレモニーであって、だいたいが外角高めのコーナーに80%程度の速球を投げるのがお決まり、打者はそれを見送ってストライクのコールで場内を沸かせるというのが「不文律」としてあるのです。例えば松井稼頭央選手(元メッツ、ロッキーズ)などはその文化を知らずに、開幕戦や本拠地開幕戦の初球をホームランして「理解不能の極悪人」だと思われ、尚且つ自分ではそのことに気づかないという悲劇に陥っていたわけです。
そんなん全然知らなかったけど、そうだとしたら松井稼頭央も相当気の毒です。