日本の難点 (幻冬舎新書)宮台 真司幻冬舎このアイテムの詳細を見る |
Amazonなんかのレビューを読むと、なんでわざわざこんな分かりにくい言い回しをするんだ!と非難轟々のようです。
確かに、オリジナルな用語を注釈なしで使っている場面も目立つし、分かりやすい章節と分かりくい章節が混在している印象は受ける。
全体にスノッブ臭が漂っているのも確か。
けど、全体を通読すると、言いたいことは明瞭で至極シンプルなんじゃないかと思います。
(ちなみに自分は宮台氏の著作を読むのは初めてです。)
現代国語の問題解くわけじゃないんだから、あんまり一字一句全てを理解しようと思わなくてもいいなじゃないか…と思ってしまうのですが。
コミュニケーション、教育、政治、宗教、安全保障、農業…とテーマは幅広いですが、日本の社会から包摂性が失われてしまったことがすべての根底にあり、それを取り戻すための処方箋が必要だ、という問題意識はいたって明確。
個人的には、本来の新自由主義においては「小さな政府」と「大きな社会」を両立する考えであったという話と、日本の裁判員制度への批判を展開した部分に、深く感銘を受けました。