今日7月2日は雑節の「半夏生(はんげしょう)」です。
調べてみたら「ハンゲ」のつく言葉は「半夏生」と「半夏」と「ハンゲショウ」の3つがありました。
そこで今日はこの3つの「ハンゲ」についてご紹介します。
「半夏生(はんげしょう)」
「半夏生(はんげしょう)」とは、夏至を3つに分けた最後の3分の1の期間で、「夏至」から数えて11日目の7月2日の頃から七夕の頃までの5日間を言います。
天文学的には、太陽の黄経が100度になる日で、七十二節気の半夏生からとられた名称のようです。
昔から農家にとっては大事な節目の日で、田植えの時期の目安とされていました。
現在は、年々早くなっている田植えですが、この半夏生に入る時期は、以前から田植えに最も適した時期と言われています。
諺にも「チュウ(夏至)は外せ、ハンゲ(半夏生)は待つな」とありますが、これは、田植えは夏至が終わった後、半夏生に入る前に行うことが好ましいと言い伝えているものです。
・年々早くなっている地元の田植え風景です。(6月4日に撮影しました。)
「半夏生の風習」
半夏生の日には各地に様々な風習があるようです。
・佐賀県では、畠の「地の神」を祭る日であったとか言われているようです。
・青森県では、半夏生の後に田植えをすると1日につき1粒ずつ収穫が減ると言われているそうです。
・埼玉県では、竹の花が咲いたり消えたりし、それを見ると死ぬとされているので、この日は竹やぶに入ってはいけないといわれているそうです。
・他にも、半夏生の前に田植えを終えた農家は、この日の天候で稲作の豊凶を占ったり、田の神を祭ったり、更には、この日から5日間を休みとする地方もあるそうです。
「半夏(ハンゲ)」
「半夏」とは「カラスビシャク(烏柄杓」のことで、サトイモ科の植物です。
・これが「カラスビシャク(半夏)」と言う薬草です。
この時期、田や畑に生える雑草ですが、塊茎は「半夏(ハンゲ)」と言われる生薬です。
漢方の半夏湯(はんげとう)、半夏寫真湯(はんげしゃしんとう)などに配合され、サポニンを多量に含んでいるため、痰きりやコレステロールの吸収効果があるとされています。
「ハンゲショウ(半夏生)」
「ハンゲショウ(半夏生)」はドクダミ科、ハンゲショウ属の多年性落葉草本植物です。
茎は60~100cmになり、枝先に細長い花穂を伸ばし小さな花をつけます。花色は白で、いわゆる裸花で、花弁も蕚片もありません。
葉の表面が白く変化し、開花期にはドクダミに似た独特の臭いを出します。
・これが「ハンゲショウ(半夏生)(半化粧)」です。
名前の由来は、夏至から11日目の半夏生の頃に花を咲かせることからつけられたとする説と葉の一部を残して白く変化する様子から「半化粧(半夏生)」とする説があるようです。
片面(表面)だけが白くなることから、別名をカタシログサ(片白草)と言われています。
この植物は薬草の「半夏(カラスビシャク)」とは別種です。