今年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」は依然として視聴率が低迷しているようです。
某芸能レポートによれば、10話までの平均は13・76%、4月12日(2015年)放送の第15話ではとうとう10%を割って9・8%に落ちたそうです。
これは大河ドラマで最低視聴率12・01%となった「平清盛」(2012年)をさらに下回る超低空飛行だそうで、「このままいくと最低の更新だけでなく、全話平均視聴率で1ケタ台という記録的な大コケになりかねない」という見方も出ているそうです。
伊勢谷友介、東出昌大、高良健吾、大沢たかおといったイケメン俳優を並べてはいるものの、タイトルの「燃ゆ」のようには燃え上がらず、ドラマのセリフではないですが、「せわぁない(心配ない)」とのんびりしている場合ではないようです。
それでも私は、ドラマの舞台が山口県とあって、セリフの中に中国地方の方言が登場していることから、私が育った岡山県の方言と共通する言葉が時折出ており、懐かしさも手伝って毎週観ています。
その中の一つが吉田松陰と主人公の杉文の母親・滝さんを演じる檀ふみが喋る「せわぁない」という言葉です。
今日はその「せわぁない」という方言をご紹介します。
岡山ではこの言葉を「せわーねぇー 」と喋り、その意味は「大丈夫だ。」「心配ない。 」で、山口県と同じです。
使用例としては『それぐれぇーの怪我じゃあ、せわーねぇーわー(それくらいの怪我なら、大丈夫だよ)』のように使われます。
「せわぁない」は標準語では「世話がない」で、広辞苑で調べると、①手数がかからない。②あきれてどうしようもない。「皮肉なのにほめられたと思っていればー」と説明しています。
①の「手数がかからない」の意味が中国地方では「大丈夫だ。」「心配ない。 」に変化して「せわぁない」になったのではないかと思われます。
この「世話ない」という言葉は、古い言葉のようで、明治時代に書かれた江戸出身の夏目漱石の「吾輩は猫である」にもでてきていることから、昔は一般に使われていたのかも知れませんが、現在では「世話ない」という表現を余り聞くことがなく、岡山などの西日本の一部で未だ普通に使われているだけのようです。
しかし、岡山では「世話ねえ」と発音されており、山口弁でも多分「せわーねぇー(世話ねえ)」ではないかと思います。
ドラマでは檀ふみさんが「せわぁない(世話ない)」と分かりやすくしゃべっているのを聞くと、地元人には少し違和感があるかも知れませんね。