頼成(らんじょう)の森だより

「県民公園頼成の森」総面積は115ha
東京ドーム25倍、日々の!写真を中心に
森の今をお伝えします

カモシカの親子その2

2023年02月18日 | 紅葉
例の親子の続きです。
写真を撮りながら、「もしや」と思ったことがありました。
「もしや」の写真です。

下の写真は、今回の写真ではありません。
令和4年4月3日に遊歩道「アオキのこみち」付近で撮ったものです。
林内に、ゆったりと寝そべっているカモシカがいました。


めんどくさそうに立ち上がり、こちらを見つめます。
そして、ウインクのように片目をつぶりました。
この写真いつかネタにしようと思ってました。

今回のお母さんのウインクと激似です。同一個体でしょう。
とすれば、4月3日時点は妊娠中です。
体を休めて横たわっていたのでしょうか。

二度目のご対面でもウインクしてくれたので、
このお母さんを「ウインク」と呼びたいと思います。

さて、思い出すのは「みくちゃん」。
令和4年10月30日のブログでデビューした「みくちゃん」。
左耳が特徴的で、「く」の字に見えるので名付けてみました。
しかし、その後、残念ながら姿は見てません。


親子連れのカモシカが展示林内を走っているのを数回見たことがあります。「ウィンク」とその「ジュニア」と思われます。

「みくちゃん」の写真を撮ったのも展示林。
縄張りが重なっています。

その1で書きましたが、「カモシカの縄張りは同性間ではほとんど重複しない」

・・・・・ということは、
可愛らしく名付けた「みくちゃん」は、いい歳のオヤジかもしれません。





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カモシカの親子その1

2023年02月18日 | 紅葉
つい先日、ニホンカモシカの親子に会いました。

カモシカの出産は5月頃で、次の春先までの約1年間子供と一緒にいます。
その後、親離れして単独で行動しますが、性成熟する2~3歳頃までは、母親の縄張りを中心に生活するようです。

この子は昨年春の生まれでしょう。
死亡率の高い厳しい冬をなんとか乗り越えられそうです。
もうすぐ1歳、親離れまでお母さんからいろいろ学んでね。

カモシカの縄張りは、かなりしっかりしていて、同性間ではほとんど重複しないようです。


お母さんが、眼の下にある眼下腺を細い木にこすりつけています。
匂いのする分泌物を枝葉にこすりつけるマーキング行動です。
縄張りの防衛や、性的情報伝達といわれています。

ネットで「眼下腺こすり」関係の論文等を調べました。
青森県下北半島での「眼下腺こすり」調査から、
・メスよりオスの方が頻度が高い
・交尾期の秋に頻度が高まる
・冬は最も頻度が低い、特に2月
・1・2歳の若齢個体は、ほとんど行わない
・典型的な眼下腺こすりは、
 ①対象物に鼻を近づけ匂いを嗅ぐ
 ②額を2,3回軽くこする
 ③片側ないし両側の眼下腺を2-6回ほど軽くこすりつける

このことを踏まえ写真見ると不思議です。
・上記調査で、ほとんど観察されなかった2月の出来事である
 (2月が最低なのは、生理的活動低下との関連が推察されている)
・行わないとされる1歳未満子が、額こすり、眼下腺こすりをしている
 (下の写真)




なぜでしょうか。
論文を読み進めると次の記述もありました。
「また、眼下腺こすりを頻繁に引き起こす動機として興奮・緊張といったカモシカの内的状況が指摘されている」

つまり、秋に多いのは、先述の縄張りの防衛や性的情報伝達の他に、興奮・緊張を伴う他個体と出会う頻度が上がるためとも考えられるようです。

最初の写真を見直しました。
お母さんが、下から睨みつけるような迫力のある顔をしています。
もしかして・・・私、興奮・緊張の素だった?私、カモシカ他個体?挙動不審者?

ちびちゃんは、今後の練習に、かわいらしくお母さんの真似をしているように見えました。

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