頼成(らんじょう)の森だより

「県民公園頼成の森」総面積は115ha
東京ドーム25倍、日々の!写真を中心に
森の今をお伝えします

アニマルトラッキング

2023年02月25日 | 紅葉
先ほどの続きで、23日の巡回時の話です。

遊歩道に、ほとんど雪はありません。

雪で傷んだ遊歩道や危険な倒木などがないか見て回ります。

根返り、スギの倒木


枝折れ、イイギリの太い枝が折れました

先ほどは鳥の話でしたが、他の生物たちも春に向け徐々に活発になってきているように歩きながら感じました。

あちこちの池では、ヤマアカガエルの卵塊が。
森林科学館裏の池から、変な声がしたのは、あれは2月12日晴れた日でした。
クククワァ キャ などが混ぜこぜになったなったような声でした。
声はそんなに大きくなくうるさく感じませんでしたが、何か切羽詰まったような宴たけなわなような声でした。
鳥ではなさそうだし、カエルか?、ヒキガエル、モリアオガエルは春なので、ヤマアカガエルか?と思い調べるとビンゴでした。
2月頃繁殖行動し、また寝るようです。二度寝です、器用です。

モグラの跡もあちこちにあります。

開けた谷は、まだ雪があります(穴谷園)


雪の上の動物たちの足跡も、活発に動いています。
2月5日の冬の森を歩くイベントでも説明の合ったように、ウサギの足跡は、最も分かりやすいです。
2つ並んでいるのが後ろ足で、揃えて飛んで、前足を「とっ、とっ」とつくイメージです。
奥に向かって進んでいます。

おそらくキツネと思います。
だいたい等間隔で、ほぼ真っすぐな足跡がキツネです。
後足と前足がほぼ同じところを踏むのでこうなります。
冬が繁殖期とのことです。

一瞬イノシシかなと思ったのですが。
イノシシの足跡の特徴は、2つのひづめの後にある小さな副蹄の跡が、点々と付くことです。
土の上や、浅い雪で点々があれば、即イノシシです。
カモシカやシカにも副蹄はありますが、高い位置にあるので、通常は足跡に付かないのですが、深い雪となれば別です。

下の写真の真ん中の左の足跡を見ると、2つのひづめの下に小さな点々が見えます。
イノシシの場合、副蹄がもうちょっと横に、逆ハの字に広がるので、これはカモシカと思います。

これは、結構、新鮮な足跡でした。

なお、本日、2月25日16時30分現在、小雪がちらつきましたが、積もっていません。
ですので、山の状況は上の写真と同じです。


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小鳥の混群

2023年02月25日 | 紅葉
おとといの23日の話です。
倒木や施設修繕が必要な箇所を把握するため、巡回を行っていた時です。

たくさんの鳥の群れが周りで飛び廻っていました。
しばし足を止め、何の鳥だろうと思ってカメラを構えましたが、なかなか捉えられません。

そのうち、地上に降りたってきたところ、エナガでした。
縁石ブロックに止ったりしています。
いったい何をしているのでしょうか。
コケの間に小さな虫でもいるのかなと思い、エナガが去った後見てみましたが、よくわかりません。
帰って、ネットで調べると、春先の産卵・子育てに向け2月頃から巣作りを行うようです。

この巣の素材がコケなどで、クモの糸やガの繭の糸を絡めてつくるようです。
球形の精巧な巣で、しかも、巣の内部には他の鳥の羽毛を敷き詰めるとのこと。
書いているだけで暖かそうで睡魔がきます、大変居心地がよさそうです。

木の股などにつくるようなので、これから木の股が要注目です。

この時は、特にコケを咥えている様子はなかったので、素材の吟味をしていたのかもしれません。

さて、この鳥の群れを撮るため、下手な鉄砲数うちゃ当たるで、数分間カメラを振り回しておりました。
縁石で姿を確認し、自身が識別できる数少ない鳥であるエナガだったかと思いつつ巡回を再開したのですが。

帰って、パソコンで見ると、あら不思議、なんか違う鳥も写ってます。
調べました。

シジュウカラ

ヒガラ・・・と思う

森に住む小鳥は、繁殖期以外の秋から冬の間、数種類の鳥が一緒になって集団で行動することも多く、この群れを混群と言うようです。

ひとつ賢くなりました。
鳥についてはド素人なので、益々賢くなる余地があるようです。




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カモシカの親子その2

2023年02月18日 | 紅葉
例の親子の続きです。
写真を撮りながら、「もしや」と思ったことがありました。
「もしや」の写真です。

下の写真は、今回の写真ではありません。
令和4年4月3日に遊歩道「アオキのこみち」付近で撮ったものです。
林内に、ゆったりと寝そべっているカモシカがいました。


めんどくさそうに立ち上がり、こちらを見つめます。
そして、ウインクのように片目をつぶりました。
この写真いつかネタにしようと思ってました。

今回のお母さんのウインクと激似です。同一個体でしょう。
とすれば、4月3日時点は妊娠中です。
体を休めて横たわっていたのでしょうか。

二度目のご対面でもウインクしてくれたので、
このお母さんを「ウインク」と呼びたいと思います。

さて、思い出すのは「みくちゃん」。
令和4年10月30日のブログでデビューした「みくちゃん」。
左耳が特徴的で、「く」の字に見えるので名付けてみました。
しかし、その後、残念ながら姿は見てません。


親子連れのカモシカが展示林内を走っているのを数回見たことがあります。「ウィンク」とその「ジュニア」と思われます。

「みくちゃん」の写真を撮ったのも展示林。
縄張りが重なっています。

その1で書きましたが、「カモシカの縄張りは同性間ではほとんど重複しない」

・・・・・ということは、
可愛らしく名付けた「みくちゃん」は、いい歳のオヤジかもしれません。





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カモシカの親子その1

2023年02月18日 | 紅葉
つい先日、ニホンカモシカの親子に会いました。

カモシカの出産は5月頃で、次の春先までの約1年間子供と一緒にいます。
その後、親離れして単独で行動しますが、性成熟する2~3歳頃までは、母親の縄張りを中心に生活するようです。

この子は昨年春の生まれでしょう。
死亡率の高い厳しい冬をなんとか乗り越えられそうです。
もうすぐ1歳、親離れまでお母さんからいろいろ学んでね。

カモシカの縄張りは、かなりしっかりしていて、同性間ではほとんど重複しないようです。


お母さんが、眼の下にある眼下腺を細い木にこすりつけています。
匂いのする分泌物を枝葉にこすりつけるマーキング行動です。
縄張りの防衛や、性的情報伝達といわれています。

ネットで「眼下腺こすり」関係の論文等を調べました。
青森県下北半島での「眼下腺こすり」調査から、
・メスよりオスの方が頻度が高い
・交尾期の秋に頻度が高まる
・冬は最も頻度が低い、特に2月
・1・2歳の若齢個体は、ほとんど行わない
・典型的な眼下腺こすりは、
 ①対象物に鼻を近づけ匂いを嗅ぐ
 ②額を2,3回軽くこする
 ③片側ないし両側の眼下腺を2-6回ほど軽くこすりつける

このことを踏まえ写真見ると不思議です。
・上記調査で、ほとんど観察されなかった2月の出来事である
 (2月が最低なのは、生理的活動低下との関連が推察されている)
・行わないとされる1歳未満子が、額こすり、眼下腺こすりをしている
 (下の写真)




なぜでしょうか。
論文を読み進めると次の記述もありました。
「また、眼下腺こすりを頻繁に引き起こす動機として興奮・緊張といったカモシカの内的状況が指摘されている」

つまり、秋に多いのは、先述の縄張りの防衛や性的情報伝達の他に、興奮・緊張を伴う他個体と出会う頻度が上がるためとも考えられるようです。

最初の写真を見直しました。
お母さんが、下から睨みつけるような迫力のある顔をしています。
もしかして・・・私、興奮・緊張の素だった?私、カモシカ他個体?挙動不審者?

ちびちゃんは、今後の練習に、かわいらしくお母さんの真似をしているように見えました。

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松くい虫

2023年02月12日 | 紅葉
バーベキュー広場横のマツ林の中の1本が枯れています。
昨年、秋に衰弱し枯れました。


松くい虫被害です。
全国的には、松くい虫被害は100年ほど前からほどから報告されています。
大正、昭和前半の被害統計は、はっきりわかりませんが、全国的な現在の被害材積は40年前の10分の1程度のようです。

頼成の森周辺でも、同様にこれまで相当な被害があり、「昔はマツタケが」という話も聞きますが、マツの本数もめっきり減ったはずです。

松くい虫という虫はいません。
ちょっとややこしいのですが、説明を列挙すると、
・マツが枯れる直接の原因は「マツノザイセンチュウ」という線虫
・この線虫を運ぶのが、「マツノマダラカミキリ」というカミキリ
①春、カミキリがマツの若枝を食べる、この時、線虫がマツの樹体内に侵入
②夏、線虫が樹体内で大増殖、水分通導のトラブルなどを起こす
③秋、線虫により樹脂などの防御力の衰えたマツにカミキリが飛来、産卵
④冬、樹皮下でふ化した幼虫がやがて樹体内に入り越冬
⑤春、羽化したカミキリに線虫が潜り込み脱出
➡以下①に戻り繰り返されたし。

非常によくできた仕組みです。
カミキリの産卵に都合のよい風に、線虫が木を弱らせ、移動できない線虫を健全なマツまでカミキリが運ぶ。

「マツノザイセンチュウ」はもともと日本にいたものではなく、明治期に北米から梱包材に紛れ込んで入ってきたとも言われています。

しかし、マツ枯れの原因が線虫と分かったのは、昭和40年代で、それまではカミキリムシ、キクイムシ、ゾウムシなどの昆虫説が中心で、その名残が「松くい虫」というちょっとあいまいな表現になっているようです。

さて、上の①から⑤のサイクルを踏まえ被害防止を図る必要があります。
2つの防止対策をおこないます。

隣接の健全なマツに線虫を防除する薬剤を注入、写真のとおり対応済みです。


さらに、春までに枯れたマツを伐採・玉切りし、樹体内にいるカミキリが脱出しないようシートで包んで燻蒸処理を行う予定です。

本当は、日本の森林の様相が昔から今に至るまで大いに変化していることも、マツを主役に書こうと思ってましたが、長くなったので次の機会にいたします。
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今日の冬の森は賑やかでした

2023年02月05日 | 紅葉
本日、イベント「守り人と歩く頼成の森~冬の森の中を探険しよう」を開催しました。
大人の方9名、お子さん7名の16名に参加いただきました。
ありがとうございました。

講師は、森の案内人「森林インストラクター」の資格もお持ちの森松さんです。
森松さんは、現在、林業界のトップリーダーの一人としてご活躍中ですが、そんな中でのボランティア自然解説、できそうでなかなかできないことです。
お忙しい中ありがとうございました。

遊歩道が踏み固まっていたので、まずは、かんじきやスノーシューを履かずに「ホオノキ台」を目指します。

カモシカ、ノウサギの足跡がありました。
その特徴は?どっちに行ったか?急いでいたか?解説に皆さん興味津々です。

ホオノキ台で小休止、ここで「かんじき」、「スノーシュー」を装着です。


「アオキのこみち」の入口は見通しがきいて気持ちの良い森です。

青空が広がり、暑くも寒くもありません。
所々で、動物の話、木の話を聞きながら、快適な山歩きです。


イベント参加の方に加え、中途合流の方もおり、非常に賑やかな大行列となりました。


最後に難所、急な下り坂を慎重におります。


「アオキのこみち」を降りると林道です。
林道には、すでに、かんじきの跡がたくさんありました。
おのおのが処女雪を選んで歩いているようです。
「我が道を行く」その気持ちよーくわかります。

森林科学館まであと少し、
小さなお子ちゃん、ここまでよくがんばったね。
おんぶ、だっこで甘えて頂戴。

9時半から12時まで2時間半の冬山歩きの後です、
「もりもりハウス」特製キノコ汁が何時にもまして魅力的です。



本日はお日柄も良く、イベント以外での貸し出しも沢山ありました。
今冬一番の賑やかな一日でありました。



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