頼成(らんじょう)の森だより

「県民公園頼成の森」総面積は115ha
東京ドーム25倍、日々の!写真を中心に
森の今をお伝えします

ナンバンギセル

2022年08月27日 | 紅葉
「ナンバンギセルがどうのこうの・・・」

という会話を聞きながら
頭の中は??、キングギドラの仲間か?などと思いながら黙っていました。

ナンバンギセルは、有名な寄生植物で、葉緑素を持たずススキなどに寄生し養分を奪い成長するとのこと。
日本全国に分布するみたいですが、地表に出る時期が限られるし、ススキ原に入っていく用事もないので、見ることはあまりないでしょう。

頼成の森の林道法面の見やすい場所に出ているとの事なので見てきました。

確かに、南蛮のキセル、マドロスパイプのようであります。

見ていて不思議なことに気付きました。
真ん中の花の斜め右下が光っています。
最初は水滴が反射しているのかと思いましたがどうも違います。

角度を変えてみるとこんな感じ。




これは何でしょう。
接近して確認したかったのですが、ツルツルの法面で梯子がないと近づけず、望遠レンズ頼みでしたがわかりませんでした。

とりあえず、パイプを吹かした後の残り火ということにしておきます。



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カオスな日

2022年08月21日 | 紅葉
本日はイベントの日で、先ほど木琴づくりの話をアップしました。

また、本日、森林科学館では、とやま森づくりサポートセンターの「森づくり塾」も開催されていました。

トトロやユーミンの優しく安らぎの演奏にうっとりしていると・・・そのすぐ横ではむくつけき男たちが、大鎌を研いでいます。
(失礼、知合いなもんで、ねえ、さかなクン)

カマ研ぎと演奏会の間を縫うように、虫取りの方々も行きかいます。


ぼーと眺めながら、豊穣なるカオスを感じた一日でした。















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本日、木琴つくりました(素敵なおまけ付きで)

2022年08月21日 | 紅葉
本日、イベント「木製楽器づくり教室」を開催しました。
講師は、どんぐり工房の花岡さんにしていただきました。
ありがとうございました。

つくる楽器は、木琴です。
叩かれる方はスギで、叩く方の先が丸い棒のその丸い部分がブナでした。
ちなみに、打楽器のヘッドのついたばちのことをマレットと言うそうです。
さらに、ちなみに、木槌もマレットです。

まずは、土台部分をつくります。


音板(おんばん)の作成です。15~20cmの間で長さを変えて5つほど


音板を取り付けます。
完全に固定せず充分遊ばせるのが響きの良い音のコツです。

できました。
装飾つきです。タイトルバックにも使わせていただきました。

タイトルに「おまけ付き」と書きましたが、つくっただけでなく演奏して〆る、わが館ながら良い企画です。

自然の中でトトロやもののけ姫などなどを情緒たっぷりに
演奏して頂いた皆さん、ありがとうございました。センキューエブリバディ。
 オカリナ:山本さん、花岡さん
 ギター :沼田さん
 木琴  :本日参加の子供たち(即興、ジャズ風味で)

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珍品三種盛り

2022年08月15日 | 紅葉
山でたまに不思議なものを見ます。
今回、不思議な珍品、珍味風の物体の正体を確認しましたので、晩酌のおともに三種盛りをお楽しみください。

一品目は、春先から気になっていた乾物系の怪しい物体です。
支柱の天辺に目を凝らすと微かなモジャモジャが見えます。

漠然と、コケ?乾いた??でしたが、ようやく分かりました。
地衣類のコアカミゴケ。

調べたことをメモります。
・地衣類にはコケと名の付く種類も多いが、コケ植物とは全く異なる生物
 (コケ植物:有名なのはスギゴケ、ゼニゴケ、緑色で光合成を行う)
・地衣類は菌類に分類されるが、藻類と共生している
・地衣類の菌類は、共生藻から光合成による栄養をもらう
・地衣類の菌類は、水や養分を共生藻に与える、菌糸で有害な紫外線を遮断
・体のほとんどが菌類で、中に囲われるように藻類が潜んでいる
・子器から胞子が飛び出し、共生藻と出会えれば地衣化が起こる
・乾燥しカサカサ、パリパリでも休眠状態でやり過ごす
・高山の岩やブナの幹のモザイク模様などは地衣類による

上のコアカミゴケの赤い部分が子器のようです。
特に珍しいということはないようですが、珍品探し脳がないと、視野に入ってもスルーしてしまうでしょう。

地衣類以外でも、コケ植物ではない、コケと呼ばれるものといえば、

モウセンゴケは種子植物
アユは石に付くコケを食(は)むと言われますが、このコケとは珪藻で藻類

本日の2品目、ゼリー系のプルプル珍品です。
コナラの根元のうろにおりました。
おそらくシロニカワタケ、キクラゲ類のキノコと思われます。

3品目、粉砂糖たっぷりデザート系

おそらく、キノコの気中菌糸

通常キノコとして見ているのは、繁殖のための構造である子実体で、世を忍ぶ仮の姿と申しましようか、本体は樹木の中などに広がる菌糸です。

気中菌糸とは、通常樹木の中などで成長するこの菌糸が、なんらかの理由で空中へ延びだすものです。

これからも、森の珍品探しに邁進する所存でありますので、珍品を見かけた方、ぜひ森林科学館に御一報お願いいたします。













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事件?

2022年08月15日 | 紅葉
現在、第1駐車場から森林科学館に上がっていく東端の通路の途中が立入禁止となっております。
スタッフ1がどこからともなく、KEEP OUTテープを取り出しササっと張ってくれました。

先日、スタッフ2がこの辺を歩いていて、土穴にハチが出入りしているところを見かけたとのこと。
行ったみたけどその日は確認できず、次の日の朝スズメバチが出入りしているのを確認し、立入禁止としました。

オオスズメバチと思います。


噴霧器での除去も考えましたが、8月を越えると巣が大きくなっており危険かつ完全に除去できるかわからないこと、また、巣から5m以上距離を取っていれば攻撃されることはめったにないことから、10mほどの距離をとって立入禁止テープを張りました。



第1駐車場の東端にそって上がる道はテープで立入禁止となっています
階段で芝生広場には上がれますのでこちらを利用ください。

山の中ではどこでもスズメバチに会う可能性がありますので、注意点を列記します。
・人を刺すのは巣を守るため、むやみに攻撃しない
・樹液の出ている木なども、巣と同じように守ろうとするので近づかないこと
・巣が近い場合の警告の合図を早めに察知すること
 ①周りを飛び回り針を出し入れして見せる
 ②顎をカチカチ鳴らす、羽音をブーンと鳴らす、毒針からフェロモン噴霧
 ③一直線に飛び攻撃、顎で咬みつく、針を刺す
・①、②の段階で察知し、ゆっくりと刺激せず後退すること
・手で振り払ったり、走って逃げたり、大声はダメ・・・激しい動きは刺激する
・その他、香水など香りの強いもの、黒い服装、ひらひらの服装はできるだけ身に付けない

オオスズメバチは、これから秋にかけて最も攻撃的になる時期ですので、皆さま、耳を澄ませ早めの察知です、お気を付けて入山ください。




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さまよえる巻きひげ

2022年08月13日 | 紅葉
巻きひげが神秘的なのでゴーヤ君の巻きひげを観察しました。

1日目朝
上はほぼ真っすぐで絡みついています
下はゆるく巻が入っています


1日目夕
上がちょっと捻じれてきたか
下は巻が増えています


2日目


3日目

対象物に絡みついた後、中途が巻き始めるのがわかります。
また、下の写真でよくわかりますが、右巻き、左巻きが途中で変わっています。
真ん中と左端近くに変化点があります。
これは反旋点(はんすうてん、はんせんてん)といわれるようです。


なぜかを考えました。
両側を固定されているので、無理のない巻き方をするとそうなる。
下の写真、紐が巻きひげです。
右が茎から出た基部で、左が巻き付いた先端。
木の枝はないものと思ってください。白で塗りつぶしてください。

巻いていくとこうなります。
真ん中が反旋点となります。

しっかり茎を保持しながら、風などに柔軟にできるスプリングのような構造を有するつる性植物。よくできています。

さまよいながら対象物を見つけ握りしめたらしめたもの、あとは巻くだけ。
と思うんですが、中には何かを間違ったかのような巻きひげもあります。
勝手に名付けた個性的な面々を最後にご紹介させていただきます。

【円舞曲】

【堅固】

【混乱】

【錯乱】

【諦観】

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緑のカーテン

2022年08月13日 | 紅葉
森林科学館前の東屋に設置した「緑のカーテン」に花が咲き、実がなっております

ツルレイシ(ゴーヤ、ニガウリ)
熟したものは、黄色くなって、破裂して、赤い種をまき散らしております
そろそろゴーヤチャンプルーにしようかともくろんでおります

オキナワスズメウリ
これから真っ赤になっていきます
リースの材料として利用しようともくろんでおります


フウセンカズラ
鑑賞用ですが、種がかわいらしいので、工作の材料をもくろんでおります

アサガオは朝早く来る楽しみにもなってます



さて、すべてつる性植物です。
アサガオは茎を絡めながら登っていきます。
他は巻きひげを絡み付け茎を保持しながらですが、この巻きひげが面白い。
次回、巻きひげ編を予定しております。

バックトゥザフューチャー風に書けば
to be continued

古いか!
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ミヤマクワガタとハチクマ

2022年08月08日 | 紅葉
タイトルに何のひねりもありません。

ミヤマクワガタとハチクマを見た。撮った。
と言うだけの話です。

自慢をまぶしての報告です。

倒木ありの情報で、鋸を手に本日午前山に入りました。
途中道草を食っていつもの木を見上げると、
おりました大物君
暗くて1匹だけと思っていたのですが、パソコンモニターで見ると、あらあら後ろにも小さめの個体が

9時半から10時頃にかけて、上空でハチクマが盛んに鳴いています。
図鑑では「ピーユー」と書かれてましたが、自分の表現では「フィーヨ」でした。
最近、よく鳴き声を聞きます。
巣立ちとなんか関係あるのかな?
3羽はいたような気がします。

1カ月前までは、謎の鳴き声だったのですが、かなり身近になりました。



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竹を使った水鉄砲

2022年08月07日 | 紅葉
本日8月7日、イベント「竹を使った工作教室」を開催しました。

4組のご家族の方に参加いただきました。
ありがとうございました。
楽しんでもらえたでしょうか。

フォレストリーダーの平瀬さん、上埜さん、高木さんにご指導いただきました。
ありがとうございました。
大変助かりました。参考になりました。

まず、マダケを切るところから

錐のつかい方や、紐の縛り方も覚えてくれたかな


めざせ新記録!

逆噴射のびしょびしょも気にせず、夢中で発射!

大人もやり始めると、マジになってしまいますよ。これは。きっと。

本日は、イベント以外の子どもたちもいっぱい来てくれました。
元気な声や足音が響く賑やかな森林科学館となりました。

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樹皮の検分

2022年08月06日 | 紅葉
8月に入って芝生広場のサルスベリが咲き始めました。
雄しべが2種類あったり花も面白いのですが、名前のとおりサルも滑るという幹を見ていて樹皮が気になりだしました。

樹木は肥大成長、つまり幹が年々太くなるわけで、樹皮はそれに対応しなければならないのですが、このサルスベリは分かりやすい。
新しい樹皮が作られるとともに古い樹皮が剥がれ落ちる。

関東以西に自生するバラ科サクラ属の「バクチノキ」というのがあります。
サルスベリに似て剥がれ落ちるタイプで、名前も単刀直入です。
【博打に負けて身ぐるみ剝がされる】

自生種でいえば、ナツツバキ、リョウブがこのサルスベリタイプでしょうか。

ケヤキやトチノキは、高齢になると樹皮が割れてきます。
これが、かさぶたの様でむらむらと剥がしたくなります。


マツやコナラは、縦すじが入り樹皮が積み重なっている様子がわかります。 




アカシデやホオノキ、ブナのような裂け目のない滑らかタイプは、樹皮の新陳代謝がイメージできません。
謎なのですが、目に見えないレベルで表面の破壊剥離が起こっているのでしょう。

さて、こうして樹皮を検分していて、これまでに見た記憶のない光景に出くわしました。
左アカマツ、右スギです。
このスギが恐らくつらい思いをしています。

幹いっぱいにヤニが垂れています。
血の涙のようです。
これほどのヤニは見た記憶がありません。
スギは、そもそも樹脂道をもちません。
樹脂道・・・材木屋さん風に言えばヤニツボ。
マツはもともと持ってます。

スギの樹脂道は、傷ついたり、虫が食ったり、環境ストレスを受けたときなどに形成されます。
何かの原因で、樹脂道が形成され、多量の樹脂(ヤニ)が生産された結果、表に流出したものと思われます。

原因を推理します。
真っ先に思うのは、6月後半、ほとんど雨が降らない中、異常高温が続いたことです。
このスギは、通常のスギのように林を形成しているわけではなく、陽当りの極めて良い芝生広場横の丘の上にぽつんと植えられています。

植林するとき、尾根はマツ、中腹はヒノキ、谷筋はスギと言われるように、スギは水を欲しがります。
雨もない中、下草もない地面や幹は、直接太陽に照り付けられ恐ろしく高温の世界にさらされていたことでしょう。

結論。
この時の環境ストレス、特に根系のストレスにより、エチレンが大量に生成された。このエチレンが傷害樹脂道の形成を誘導するとともに、多量の樹脂が生産された結果、樹脂が流出した。以上。

日の当たらない裏側は、あまりヤニは垂れてません。

近くのスギも見て回ったところ、やはり日当たり面でのヤニの流出が若干見られましたが、大したことはありませんでした。
前のスギに比べれば、影ができたり環境的にはましだったのでしょう。

涙ではなく宝石のように見える樹脂もありました。





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ニイニイゼミ

2022年08月03日 | 紅葉
暑い日が続きますが、皆さまお元気でしょうか。

先日、事務室の室温計が35℃を示し、手元の書類が肘を上げるたびに舞い上がるようになり、観念し冷房しました。

事務室に冷房はあるのですが、展示室にはなく、暑い中入館される方を思うと戸を閉め切った中で涼しい顔をしている気にもなれず、また、しょっちゅう出入りしていることもあり、これまでほとんど使っていませんでしたが、熱中症アラートも出てますし、たまに冷房のお世話になろうと思ってます。

さて、森林科学館の下の遊具の周りには、カラマツ、スギ、アカマツ、ケヤキなどの樹木があります。
ここを歩いていると、特にカラマツの根の周辺に、大小の硬貨サイズの穴が沢山あいています。
セミの幼虫が出てきた穴です。
カラマツの樹皮には、泥だらけの抜殻が




この泥だらけが、ニイニイゼミの一大特徴で、小さくて丸っこくて泥だらけ、
と覚えておけばOKです。
大きな穴から出てきたのは、アブラゼミ、泥はほとんどついてません。

なぜ泥だらけなのかを少し調べてみましたが、結論からいうとはっきりわかってないようです。

「湿った環境を好むから」というのは、今回同じ環境から出てきたアブラゼミがツルツルなのでおかしい。
「表面がザラザラしている」
「体表に出した分泌物と泥が一体化」
という説もありましたが、見た感じでは分泌物説が有力に思えました。

逆に、他のセミの抜け殻は、なぜツヤツヤなのかとも思いましたが。

もう一つ、頭の中に芽生えた?は、なぜカラマツなのかです。
ここのカラマツは植えられたものです。
カラマツの自生地は本州の山岳地帯周辺ですが、造林用として特に北海道や長野県などの寒冷地で大規模に植えられています。
頼成の森では、ほんのわずか植えてありますが、里山で植えられることはまずないでしょう。

つまり、この辺のセミはカラマツのことなど何も知らないはずなのに何故カラマツの根もとにばかり穴があるのかということです。

少し調べると、面白い記事が、
知床ののヒグマはコエゾゼミの幼虫を食べるために地面を掘り返す。
特にカラマツの人工林で集中的に。
カラマツ人工林の幼虫数は天然林の10倍も高い。
ということで、機械で耕したような掘り返した写真もありました。

カラマツには、セミが集まる秘密の魅力があるようです。

最後に、穴を見廻っていた時に見た虫をひとつ。
シオヤアブがコガネムシを捕食していました。
大変なハンターの様で、最強クラスの戦闘力を持つなどともいわれます。
高速飛翔で背後から鋭い口吻を差し込み体液を吸うようです。

自然界は奥深し、謎多し、面白し、ちょっとした出来事も調べるときりがありません。
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