頼成(らんじょう)の森だより

「県民公園頼成の森」総面積は115ha
東京ドーム25倍、日々の!写真を中心に
森の今をお伝えします

フジの花

2023年04月30日 | 紅葉
国道359線沿いの山間部で、今一番目につくのはフジの花です。

スギの木に絡みついたものが目立ちます。
つるを伸ばすのにスギが適しているのか、あるいは、スギの葉が黒っぽいのでその対比で花が目立つのかはわかりません。
クリスマスツリーのデコレーションのごとくフジの花をまとった木もあります。

森林科学館裏のフジも花盛りです。
甘い香りを感じました。

フジは、マメ科のつる性落葉木本です。
つるの元がどうなっているのか、こんがらがってよくわかりません。

林業の作業に「つる切り」という作業があります。
「下刈り」や「間伐」という作業は聞かれたこともあるでしょう。
「つる切り」という言葉は余り世に出てないと思いますが、場所によっては大変重要な作業です。

フジ、クズ、マタタビ、アケビ、ヤマブドウなどのつる性植物は一般に成長が早く、植栽木を覆い隠したり、巻き付いて幹を変形させる厄介者です。

つる切りは、下刈り終了後も林内を見廻り数年間は続ける必要があります。
林業者が腰に鉈をぶら下げているのは、「つる切り」のためでもあります。

話がアンチな方向に流れてしまいましたが、
藤棚の観光スポットがあるくらい、フジの花は幻想的な美しさを見せてくれます。
万葉の昔からフジの花を愛でる歴史があるようです。
また、つるは、篭など民具や吊り橋などの素材としても活用されてきました。
頼成の森でもクリスマスリースの素材として活躍しています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

悲劇の植物分類

2023年04月23日 | 紅葉
前にブログで少し触れましたが、
近年遺伝子解析による分類が発展し主流になってきているようです(APG体系)。

植物図鑑はそれについて行っていません。
なので、科名など、いちいちネットで調べる必要が生じます。

ミヤマガマズミ
ミヤマガマズミは、
手元の図鑑では、スイカズラ科。
ウィキペディアでは、レンプクソウ科

何でしょうか、レンプクソウ。
図鑑などにはこうあります。
林内に生育する多年草。
レンプクソウ科の植物は、日本ではレンプクソウの1種のみ。
世界に目を向けても2種類のみ、1科2種、大変な小所帯です。

ところが、APG体系によってガマズミ類やニワトコなどが、この極小の、しかも草の所帯に引っ越し、レンプクソウ科は一気に200種近くになったのです。

ただ1種の草が、そうそうたる樹木を率いる、
レンプクソウの歓喜たるや如何ばかりだったでしょうか。

これは、仲間の大量離脱がおこったスイカズラ科の悲劇でもあります。


話はここで終わりません。
さらなる悲劇がおこります。

レンプクソウの栄光は続きませんでした。
学者の投票により、2017年レンプクソウは逆吸収されガマズミ科となったのです。
レンプクソウ科は消滅しました。

涙を誘います。
レンプクソウはラテン語で「何の取柄もない」だそうです。
滂沱の涙です。

時代に翻弄されたレンプクソウ、
「レッドデータブックとやま」では、絶滅の危機に瀕している種とされています。

レンプクソウ、私、聞いたことも見たこともありません。
しかし、見つけたら大事に見守りたいと思っています。

(追記)
ネットでは、情報が交錯しているものもあります。
上記はいろいろ見て、正解と思われることを記しました。
ガマズミ類やニワトコなどはガマズミ科とするのが主流のようです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白い花

2023年04月23日 | 紅葉
昨日「となみチューリップフェア」が開幕しました。
初日の満開宣言は、70余年で初と新聞にありました。
運営者の皆さま、天気との戦い大変お疲れさまです。 

色とりどりは、チューリップにお任せして、シンプルに白い花を拾ってみました。

若葉の緑が目に染みます。



なにかと杏仁豆腐の香りがします。
ウワミズザクラ、バラ科

木の下、目の前50cmの所で、ハナアブ?が3秒ほど空中静止していました。
揺れません、恐るべきホバリング能力、オニヤンマに匹敵します。


早くも咲いていました。
ツクバネウツギ、スイカズラ科

花の開きそうなのを一つだけ見つけました。
ホオノキ、モクレン科

見上げて撮るしかなかった。
アズキナシ、バラ科
頼成の森でバラ科で、そこそこ高木になるのは、サクラ類を除くと、
アズキナシ、ザイフリボク、オオウラジロノキ、ウラジロノキです。

花はまだですが、装飾花が開き始めました。
ケナシヤブデマリ


純白、清楚。
ミヤマガマズミ

後の2枚は、見た順からいうと最初でした。
最後に持ってきて、科名を隠したのは次回に向けての秘密です。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チゴユリの傍らでガサゴソ音が

2023年04月20日 | 紅葉
本日は、大変暑い日でした。
室内から外に出ると、モワっとした暖かい空気に包まれました。

森林科学館前の温度計は、午後3時半過ぎで24.8度、ほぼ夏日でした。

玄関のガラスにカメムシが30匹ほど張り付いています。
だいぶ前からカメムシが飛び交っていたので、ほとんど旅立ったと思ってました。
暑さに尻を叩かれ、まだいたお寝坊さん一同が覚醒したようです。


「八が峰のこみち」の谷部の歩道補修状況を確認がてら「ホオノキ台」折り返しで歩いてきました。

左コナラ、右アオハダ、しっかりした緑になってきています。
正体不明の小さな虫たちが辺りを飛び交っています。

谷の向こうに、ウワミズザクラの花が見えます。満開です。

これまた、向こうに藤の花も。

ガマズミ関係の花も目立ち始めました。

撮りやすい場所にチゴユリが咲いています。

撮った後、辺りでガサゴソと音がしました。
今春初見のヘビがマムシでした。

生物の活動が活発になってきました。
中には危険なヘビ、ハチなどもいますので、皆さま、お気をつけて散策等をお楽しみください。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

絵画的な写真

2023年04月16日 | 紅葉
昨日夕方撮った写真を少し化粧したら絵画的な写真になりました。

本日は、気まぐれな天気で、風も時々強く吹きました。
森林科学館の東方50mほどにあるカスミザクラも揺れています。

スローシャッターで写真を撮ると、花が流れて、これまた絵画調になるかなと思って撮ってみました。




下の駐車場のケヤキとノムラカエデも激しく揺れていました
ちょっとイマイチでした。

5月21日(日)にイベント「ネイチャーフォト教室」を行います。
9:30~12:00 定員20名 参加無料、プロの先生を招いての新企画です。

花しょうぶなど、より綺麗に撮れるようになるでしょう。
受付開始しておりますので、ご興味のある方はお気軽に電話申込みください。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カモシカに桜

2023年04月13日 | 紅葉
花しょうぶ園には、中に入って鑑賞できるよう木道があります。
じめじめした場所ですから、木は腐りやすく小まめな管理が必要です。
 
というわけで、午前中、木道の健全度の調査をしていました。

ハーべキュー広場横を通って歩いて行ったのですが、そこのカスミザクラと八重の桃色のサクラが花を競って咲いています。


後にはコナラの新緑もあって春爛漫です。

少し下るとそこにカモシカが
この絵柄と、今回のタイトルの関係性がわかるでしょうか。

わかった人は天才です。
どうでもいい話なので、異才、奇才でしょうか。

花札に10月札の「鹿に紅葉(もみじ)」というのがあります。
この絵札の鹿が横を向いています。
相手を無視することを「シカトする」ということの語源といわれています。
そっぼを向いた鹿+10月=シカ+トウ=シカト

カモシカが横を向いた時、ピッとこれが浮かび、モミジがサクラに置き換わるという思考の流れから生まれたタイトルでした。

さて、上の写真は一部切抜でした。
全部はこれ。
ウインク親子。
時々離れたりしているようですが、今日は一緒でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

爽やかな春の森で、最初のイベントを行いました

2023年04月09日 | 紅葉
本日、爽やかな晴天のもと、令和5年度の最初のイベントを行いました。
「守り人と歩く頼成の森(春の森の中を観察しよう)」です。

講師は、昨年もお願いした地元砺波のナチュラリストの林さんです。
いつもありがとうございます。

歩くコースは、「八が峰のこみち」~「ホオノキ台」~「ドングリのこみち」~「小鳥のこみち」です。

林さんから小さなお子さんたちに呼びかけがありました。
「花を見たらシールを貼ろうね、いくつ見れるかな?」


ポイント、ポイントで観察、いろいろな自然の解説を聞きながらの散策です。

スギ林を下り

谷部を歩き

つづら折りの坂を上り

尾根に出ます。

新緑がきれいです。

あそこに見えるのは何かな?


ホオノキ台で小休止

立山連峰もうっすら見えます

ホオノキ台を折り返し

持参の写真なども使って分かりやすい解説をして頂きました


ちびちゃんたちが、段々元気になってきているようです。
ついに先頭に躍り出ました。

枝葉の匂いもかいでみよう

さて、今回見た花は何だったでしょうか。
ヒサカキ
ヒメアオキ
ショウジョウバカマ
ユキバタツバキ
ユキグニミツバツツジ
ミツバアケビ
シュンラン
ナガハシスミレ
トキワイカリソウ
モミジイチゴ
オオバクロモジ
エゾユズリハ
の12種類でした。

名前のシールを張った台紙を持って林先生と記念撮影です。

大きくなって、この名前が言えたら大したものですぞ~

1時間半の予定のイベントは、ぴったしに終わりました。
林さん、さすがです。
丁寧な解説とともにありがとうございました。

参加された皆さまもまたぜひお越しください。
お待ちしております。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブナの新緑

2023年04月08日 | 紅葉
頼成の森のブログで「ブナの新緑」というタイトルは本来理屈に合いません。

しかし、4月2日のブログにも載せましたが、
頼成の森には1974年に植栽されたブナ・イヌブナの人工林があるのであります。
4月2日時点では、上層木の葉は出ていませんでした。

有峰や立山ブナ平で経験した煌めくブナの新緑は忘れがたいものがあります。
そんなブナに惹きつけられ、本日は、曇、雨、晴れ、時々強い風が吹く気まぐれな天気でしたが、間隙をついてブナ林を電撃訪問してきました。

途中の遊歩道沿いでは、ユキグニミツバツツジが鮮やかな紅紫色の花を咲かせ始めています。

あとで、いつもツツジが鮮やかなバーベキュー広場横も見てきました。
やはり、昨年より1週間ほど早そうです。
来週の土日頃は、この周辺は、鮮やかな紅紫に彩られるでしょう。


ホオノキ台下の大きなホオノキの葉ももうじき展開しそうです。
この木の周囲では、植えられたドウダンツツジが白い花を咲かせていました。


ブナ林では、開葉が始まっていました。

ちょうど陽がでてきました。
まだこれからの木もありますが、みずみずしい新緑を見ることができました。

コナラの開葉も進んでいます。
コナラのパステルカラー調の新緑は、その淡さゆえの趣があります。

コナラのしみじみとした趣のある新緑
ブナのみずみずしい生命力を感じる新緑
まだまだ、個性的な新緑がありそうです。

今しばらく、いろいろな新緑を楽しみましょう。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高木たちも目覚めてきました

2023年04月06日 | 紅葉
遊歩道入口のコナラが、葉を開き始めました。

駐車場周囲に植えられたイチョウ、遠目にも緑がわかります。

芝生広場横に植えられたカラマツ、可愛らしい針葉が出始めました。

トチノキも。
葉を包んでいた芽鱗に触ると接着剤のようにベトベトします。

近年、DNA解析による新たな植物分類が行われています。
トチノキ科トチノキ属のトチノキは、ムクロジ科トチノキ属とされ、
カエデ科カエデ属のカエデの仲間も、ムクロジ科カエデ属ということで、
同じムクロジ科とするのが主流のようです。

ちなみに、スギ科のスギもヒノキ科に含められ、スギ科は消滅したようです。

情報が目まぐるしく変わる時代、植物図鑑などの出版も大変そうです。

話が横道にそれましたが、
コナラなど落葉広葉樹の淡い萌黄色の新緑、葉が開き始めると刻々と変化し、あっという間に通り過ぎます。
今週末頃からの今の時期しか味わえない新緑を是非お楽しみください。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南風吹く、サクラ舞う

2023年04月06日 | 紅葉
暖かな南風の吹く曇の朝でしたが、
近くの森では、「ツイ ツイ ピイー ツイ ツイ ピイー ツイ ツイ ピイー」
と爽やかにヤマガラが鳴いていました。

カタカナに翻訳しやすい鳴き方なので、覚えやすいです。
数少ない声がわかる鳥となりました。

裏のスギ林の林床では、モミジイチゴの花が盛りです。
バラ科の低木ですが、花がお辞儀しているのであまり目立ちません。
花下に寝っ転がっての撮影です。

芝生広場のシダレザクラは満開です。
たまに強風が吹くと花びらがハラハラと舞います。

既に散り始めていたソメイヨシノの花は、微風でもハラハラと舞っています。


道路脇に花びらが溜まっています。


自然の粋な計らいでしょうか、楚々とした一輪のスミレが咲いていました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八が峰のこみち~ツバキのこみち~

2023年04月02日 | 紅葉
以下は昨日の記録です。

「八が峰のこみち」のジグザグ登りの途中にツバキが沢山あります。
その中の1本に「ユキバタツバキ」の名札がかかっています。

昨年は花のある時期に通ってなかったので、そうかユキバタかと思ってました。

昨日通るとその木にピンクの八重の花が咲いていました。
しみじみとした気持ちになり、そっと名札を外しました。

おそらく、乙女椿、ユキツバキ系の園芸種です。
周りのツバキもピンク花でしたので、ある時期この一帯に植えたのでしょう。
見ごろの一輪は非常に端正です。

コブシの花も咲いています。少し散りかけです。

高木の枝先の黄色が目を引きます。
イタヤカエデ、大木になる珍しいカエデです。
アカイタヤやオニイタヤなど変種が多いのですが、ここでは総称としてイタヤカエデとしています。
ヤマモミジなど普通のカエデの花はぶら下がっています。
イタヤカエデの花はそれとは随分違います。
カナダ国旗のサトウカエデのように、樹液に糖分が多く甘味を感じれるようです。

「ツバキのこみち」を下ります。
ここに、1974年に植栽されたブナとイヌブナの人工林があります。
ブナの新緑が気になっていたのですが、下の写真の状況でした。
数本の背の低いブナが開葉、上層木はまだでした。
もう少しするとこの景色が一変します。

「ツバキのこみち」を降りて、「穴谷園」まで来ると、対岸の「つづら折のこみち」からキチンと遊歩道を踏みしめてカモシカが降りてきました。
ウインクお母さんのような気がしましたが、確定ではありません。

カモシカさんに軽くあいさつし、「石の門」~「栂野尾園」経由で戻りました。

その「栂野尾園」の小さな池から、
「クリクリクリツ」とか「ケレケレケレ」とかに聞こえる声がします。
本によっては「コロコロッ」とか書いてありましたが、とにかく、歯切れの良いスタッカートな声です。

シュレーゲルアオガエル、ハイカラな名前のカエルです。
3月終わりに教えてもらいました。覚えやすい声です。
ハイカラな名前は、ライデン博物館のシュレーゲルさんに由来するとのこと。

近づくと鳴き止むのがわかっていたので、忍び足で時間をかけてました。

しかし、声はすれども姿は見えず。
目を皿のようにして覗き込みますがわかりません。

さっきから気配を感じて鳴き止んでいるので、写真をあきらめて場を離れました。

少しすると盛んに鳴き始めます、いまいましいケレケレ声を背中にしょって帰途につきました。
帰って調べると、産卵期は地中にいることが多いため、鳴き声が聞こえても発見するのは難しいそうです。


コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新年度の始まりに花を添えて

2023年04月01日 | 紅葉
令和5年度が好天のもと始まりました。

1年前の春の写真で確認すると、
今年は昨年より春が1週間あまり早いようです。

本日も色んな花が咲き始めていました。

3月30日のブログにヒメアオキの雄花(雄株)を載せましたので、
今度は雌花(雌株)です。
昨年の雌花から生じた果実付きです。

ツルシキミの雄花(雄株)

低木類を中心に開葉が進み始めています。

花まで開いたガマズミもありました。


ホオノキ台ではトキワイカリソウが輝いていました。

シュンランもちょっぴり見れました。
昨年の春だったら、
人から「これは何の花?」と問われたら、
「そんなの、シュラン」と答えたでしょう。

1年間の経験を踏まえ、バージョンアップしていきたいと思います。
今年度もご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする