先日、常緑広葉樹に興味が出てきた話をしました。
もちろん、常緑性の植物はそれだけではなく、スギ・マツなどの針葉樹、タケ・ササなどの類もあちこちで目につきます。
目立たないところでは、常緑性の草本類やコケ類もあるのですが、今回はシダを取り上げます。
いかにもシダっぽいのは、似ててなかなか区別できませんが、分かりやすい常緑シダを2種類。
シシガシラ
こういう所が好きなんでしょう、あちこちの林道法面の法頭でシシガシラをみます。
ヒカゲノカズラ
今回、シダ植物を取り上げたのは、こういうことです。
昔々あるところに植物学者のおじさんがいました。ヒカゲノカズラの説明の中で「火薬」という言葉が出てきました。
林道法面で常緑のものを探していて、ヒカゲノカズラを認めたときに、遠い日の記憶の扉から「火薬」がこぼれ落ちました。
ヒカゲノカズラと火薬、なんのこっちゃろ、調べるべし。
結果、色んな発見がありました。
まず、本体の利用
・神事などに使われる、使われたことがある
・ドライフラワーなどアート素材として使われることがある
・金魚の産卵巣に使う例がある
さて、これからが本題です。
石松子、ガッツ石松のお子さんではありません。
せきしょうし、ヒカゲノカズラの胞子です。
吸湿性がなく流動性のある無害な粉体。
石松子の利用
・漢方薬として、リウマチなどの関節痛などに
・丸薬の衣、火薬の衣、包帯くっつかないようパウダー的に
・線香花火がパチパチはぜるよう混ぜる
・果樹の人工授粉の際の花粉の増量剤
(花粉の4ー10倍を混合)
(花粉と似た性質で、害もなく、安いからか)
(色付き石松子混合で、どの花に受粉作業したかが分かる)
・花粉の類似物質としてマスク、フィルター等の性能試験に
・警察鑑識の指紋検出用
(ガラス、金属はアルミニウム、革製品は石松子が適しているとか)
はあ~ん、シダの胞子なんちゅうもんを、よくぞ。
一体だれが集めているのか、どうやって、生計は成り立つのか?
疑問が疑問を呼び、歴史的なこともわかりませんが、今はほとんど中国産のようです。