背景の花しょうぶ田は、サンクガーデン(枕床庭園ー一段低いところに花壇を配置)方式で
平成5年に再整備した水生植物園の模様です。
一段低いところにはもちろん花しょうぶがあります。
木道は、 音楽の五線譜をイメージしている。
ご来園の際は、花しょうぶとともに、全体の工夫された設計者の意図もくみ取って
見ていただきたいものです。上部の舗装道路からよく見えます。
木道に真新しい部分が見えますが、これは4月3日の暴風で倒れた杉を製材し、サイズを
合わせて補修した跡です。
5月の光は 強烈だから、水生植物園から立ち上る水蒸気に後光が射しています。
もっと鮮明になれば、まるで仏画掛け軸の模様です。
逆光の反対には、杉林が見えます。
花しょうぶ田に、牛フンたい肥を散布しました。
気のせいか株が大きく、葉の緑色も濃くなったような…。
「花しょうぶは野生の草」、「ほっといても丈夫に育つ」と考えられていると思います。
ところがどっこい、大変か弱い草花であります。
まず、3~4年ごとに大きくなった株を小さく分けて植え替える作業が必須となります。
これをやらないと、株はだんだん衰退し、いずれ花は見られなくなります。
株分けしたあと、除草、水管理、施肥、祭り期間中の花がら摘み。
これをしないと、皆さんのカメラで撮っていただける花にはなりません。
花しょうぶ祭り(6月22日(金)~7月1日(日) )には、手前のアジサイと奥の花しょうぶの
競演が見られることでしょう。
花しょうぶは梅雨の花。
雨の中、雨上がり、霧の中 で一層輝かしい姿を見せてくれます。
この季節になると、かきつばた、あやめ、花しょうぶ の区別が話題になります。
難しいことを覚えても7月になれば、すっかり忘れてしまうのですが…。
一番単純なのが、花の咲く順です。
かきつばた、あやめ、花しょうぶ の順番に咲くようで、残念なことに開花期は
ほとんど重ならない。
花しょうぶの品種は桁違いに多いので、あやめと咲き時が重なるものがあるようです。
花しょうぶ祭りの最奥地の池の周辺に、今"あやめ"が咲いています。
オタマジャクシの住んでいる池ですから同時に楽しめます。
6月22日~7月1日に開催される"花しょうぶ祭り"は、約1000mの遊歩道に沿って
花しょうぶが展開し、さながら花絵巻を自分の足でたどることになります。
特に健脚自慢の方にはお勧めコースです。
そして、運がよければ黒くて可愛い毛虫にも会えます。
懐かしいですね。
昔は沢山いたと思うのですが、最近めったにお目にかかりません。
今日は何かいいことがあるのかも。
久々に空気が透き通っていて、頼成の森のあらゆるものが輝いています。
水も緑もとても美しい。
よく「緑色」と言いますが、実際の若葉の色はあんなきたない色ではないです。
東山魁夷が画く緑と実際の緑とは全然違う。
一種のイメージを画いているのか。
実際と異なる色を使って、本物より本物らしく見せる高度なテクニックかも。
ほんとに谷に生えているタニウツギなので、ピンクの色がよく出ています。
谷筋は冷え冷えしているので、尾根付近に較べて咲くのが少し遅い。
今日は、週の中日なので、とても静かな日になりそう。
クズの新芽付近にしがみついているダニらしき生物です。
あらゆるものが共生している森なので、美しいものかわいいものばかりではありません。
頼成の森115ヘクタールに、花の咲いている笹と咲いていない笹があります。
花の咲いている笹
花の咲いていない笹
場所は1キロほど離れています。
以前は幅広な笹の葉は、多方面で活用されたようです。
代表的な例として寿司やモチを包む包装紙。
これは笹の殺菌作用が効いて合理的な利用法らしい。
自家製の笹もちの場合、密閉度が低いからか、今の季節でも
あまり日持ちはしなかったように思う。
笹に関わる大昔の痛い思いでとして
山中でもよおした時、手近の笹の葉のお世話になった。
これがカッターのように切れる葉とは思い及ばなかった。
せめて、ふきの葉にしておけばよかった。
後悔先に立たず。
自然の造形には「!!」と思わせるものがある。
五月晴れのもと、いかにも涼しげでさわやかなファッションとみえた一コマ。
木にとって迷惑なことなのか嬉しいことなのか。
いずれにしても、すでに枯れているようです。
⇒⇒⇒「頼成の森 花しょうぶ祭り」は、6月22日(金)~7月1日(日)の10日間⇒⇒
暑からず寒からず、ちょうどいい気温で雨中の林内散策。
所々に霧がなびき、日本画風の何とも言えない雰囲気があります。
林外でザーザー降りでも、林内では雨滴が幹に導かれるためか、降りは少ない。
汗は出ないし幻想的風景が展開するし、散策は雨の中に限る。
頼成の森は林内に入ると細尾根があったり、急崖地があったり、意外と変化に富んだ
地形となっている。
この風化土を運搬する現場のような所を見つけた。
谷の出口に堆積した風化土を再度侵食していく過程と思われる。
ここの風化土は粘土に近い細粒子の土のため、少量の流水でも十分流せるのだろう。
融雪時期には、谷の出口のミニ堆積帯でよく見られる。
大きな川がなくても、自在に地形を変えることができるのは、ここの地質によるものか。
昨日は雨、明日も雨。
でも、今朝は晴れた。
やわらかな陽光を受け、しょうぶ田の手すりに「トカゲ」がいた。
カメラを向けても動じない、なかなかの名優とお見受けしました。
頼成の森にはたくさんの野鳥が樹間を飛び回っている。声はすれども姿は見えず。
野鳥は意地悪で、素人カメラマンが捉えることは至難のことです。 その理由は
①動きが速くて、カメラでは追えない。
②木の葉や枝が邪魔して全身が見えない。
③下から見上げるので表情が撮れない。
その点「トカゲ」は、カメラのことを考えてくれます。しっかり写りました。
ところで、花しょうぶは順調に生育しています。
検尺棒の紅白一つが10センチです。
今、花のない花しょうぶ田は、なかなかの風情がある。
特に雨後が素晴らしい。
しかし花が咲かないと誰も来ないね。
4月3日の暴風で倒れた杉は、車道→遊歩道 と順に片づけてきました。
今、お手植え杉の周辺の林内整理に取り掛かっています。
頼成の森には、立山杉、増山杉、ぼか杉が植えられており、程度の差はあれ、いずれも
暴風被害から免れることはできませんでした。
これは、年輪を見ることのできる絶好の機会でもあります。
増山杉で、根元径は20センチほどです。
ぼか杉で 、根元径は40センチ強。
立山杉で、根元径30センチ弱
成長スピードは、ぼか杉>立山杉>増山杉の順で、一般に知られているとおりの結果と
なりました。
同じ所に植えて、成長スピードが倍以上違うと、本数の密度管理は中々難しい。
それぞれの樹高成長に応じたスペースを割り当てなければ今回の暴風などで倒れて
しまう。
その点、広葉樹林は、自然淘汰に任せてあるので気楽ではあります。