新古典派経済学は、「均衡」と「最適化」という二つのドグマを正当化するために、さらに多くのドグマとパラドックスを積み重ねてきました。本書で塩沢由典先生が批判するのは、「均衡のドグマ」「価格を変数とする関数のドグマ」「売りたいだけ売れるというドグマ」「最適化行動のドグマ」「収穫逓減のドグマ」「卵からの構成のドグマ」「方法論的個人主義のドグマ」と合計7つのドグマであり、それらは全否定されます。「均衡のドグマ」を拒絶した後、「進化経済動学」の教科書の第一章に書かれるべき基礎的理論は、生物学で発達した個体群動学の理論だと私は思います。ロジスティック関数とその応用系であるロトカ=ヴォルテラ競争方程式などは、大学で生物学を勉強した人なら皆が知っている理論です。でも、これまでの経済学者は無視し、体系の中に取り込もうとはしませんでした。 . . . 本文を読む